孤高のメス

1988年まだ、脳死肝移植が認められてないこの時代に、患者の命を救いたいと願う医師と、脳死前にはボランティア活動をしていたドナーとその母、ドナー提供者を望む市長の家族の話

自分の母親が田舎の病院でたらいまわしに合って、その結果母を失ったドクターの主人公は、いつか田舎の病院でも人の命を救える医療を提供したいと外科医になる。そして、敢えて田舎での医療を行い目の前の患者を救うことに徹底的に拘ります。

組織内にあるつまらない慣習や制度には拘らず、あくまでも患者を救うというそのことだけに、エネルギーを集中し、命を燃やします。「この国でそれをやったら刑事告訴を受けるかもしれない」「成功しても、失敗しても地獄だぞ」と忠告をしてくれる人もいる中、「ドナー提供を望む親族とドナー提供者を待つ人がいて、それでも私がやらなければその方がよっぽど悪である」と言い切り、違法でありながら手術をするという話です。

100%脳死であったことを証明できた点とドナー提供者の母の陳述書により、刑事罰にされることもドクター免許を剥奪されることもありませんでした。

病院内だけではなく、色々な組織内に悪しき慣習が存在して、この病院では重症患者は慶応医大に回すというのが悪しき慣習でした。もし、移送中になくなったら、その人の寿命だと・・・

そんなことをしたら手遅れになる。とドクターは言い、医療器具も不備の中でも様々な手術をこなしていきます。この医師の判断はただ、患者を救いたいという事だけで、患者にとって何がベストなのかということを考え、今すぐ自分が手術をするということがベストであると結論づければ実行します。判断基準にブレが生じません。見ていて正義感の沸いてくる映画でした。