僕たちのプレイボール

メジャーリーグから転落したマイナーリーグの現役選手の父とリトルリーグ・ワールドシリーズ出場を夢見る息子の二人の物語です。

メジャーリーグから転落した父は肩を壊し、また、いつかメジャーリーグに這い上がりたいと願うがなかなかうまくいかない。年齢はどんどん上がっていくし、妻からはいい加減諦めたら?と言われるし、それでも夢を捨てられない。肩が壊れて動かなくなるまで野球をやりたいと父は言います。

ジェームス・ディーンや山口百恵のように人気絶頂の時に本業を去るのがカッコいいと思った時期もありましたが、今は、カズやこの映画の父のように好きだからこそいくら無様な様を見せつけたとしても、やり続けるというのが、本当の意味でカッコいいのかなとも思えるようになりました。

この映画の面白いところは、息子の方です。アメリカ帰りの息子は日本の地元リーグに入るも、練習のやり方からチームの意識の低さ、レベルの違いなどに葛藤しながらも成長します。これを見ていて、企業(組織)に似ているなと思いました。球児(息子の名前です)がいくら実力があっても、志が高くても、一人だけ頑張っても、リトルリーグに行くことはできません。チーム内はうまい人、下手な人、いずれはプロになりたいと思っている人、楽しいだけで野球をやっている人、様々な人がいて、チームが成り立っています。

チームに入りたての頃、生ぬるい練習に苛立ち、こんなんじゃリトルリーグに行けないと、チームにあたり逆にチームから孤立化したりします。自分がスランプの時、仲間のファインプレーで救われたりもして、そこからチームが1つになり、リトルリーグのワールドシリーズまでいくお話です。

チームの仲間が一つの方向に向かって立ち向かっていく。組織と一緒です。一人一人バラバラに動いていたら、良い部分も消されてしまいます。個の良いところを消さず、集団も成長するにはどうしたらいいかを考えさせる映画でした。