認定医療法人制度改正

認定医療法人制度とは、持分の定めのある医療法人が持分の定めのない医療法人に移行するための制度ですが、法人に含み益がある場合(内部留保がある場合)原則として移行時に医療法人に贈与税がかかっていました。厚生労働省は持分の定めのない医療法人に移行させたかったのですが、このみなし贈与税が足かせとなって移行が思っていたより進まなかったのです。

認定医療法人制度は平成26年10月に始まった制度で平成29年9月までがその期限となっていましたが、この度の税制改正で3年間の延長がされ、平成32年9月までの制度となりました。しかも、移行時の贈与税を非課税とするという太っ腹な制度です。ただ闇雲に非課税とするのではなく、摘要要件を定めました。移行計画の認定要件を満たし、厚生労働省の認定を受けること。移行後6年間、認定要件を満たしていること。です。

認定要件は、⓵社員総会の議決があること。⓶移行計画が有効かつ適正であること⓷移行計画期間が3年以内であること⓸法人関係者に利益供与しないこと⓹役員報酬について不当に高額にならないよう定めていること⓺社会保険診療に係る収入が全体の80%以上などです。⓵~⓷はもともとあった要件ですが、⓸~⓺は新たに追加された要件です。以前の親族1/3要件などがなくなれば、非常にやりやすくなるのではないでしょうか。ただ、産婦人科などは社会保険診療報酬収入が全体の80%以上にはなりませんから、そちらについても救ってほしいものです。具体的な細かい要件についてはこれからです。いずれにしろ、これは衝撃的な改正です。秋ごろに細かい要件がでると思いますので注目ですね。