財務諸表の見方Ⅱ

前回、経営者は財務諸表を俯瞰して見る能力が必要だという話をしました。今回はキャッシュフローについてお話しします。キャッシュフローとは現金収支です。よく何年も赤字なのに潰れない会社が存在します。何で赤字なのに会社が潰れないのか?それはキャッシュフローが回っているからです。

例えば、損益計算書上の利益が100万円の赤字だとします。損益計算書には約2,000万円の減価償却費が計上されています。その法人は過去に多くの設備投資をしていて、その借入金の返済が年間で1,000万円ありました。この場合、キャッシュフローベースの利益は△100万円+2,000万円-1,000万円=900万円の黒字になります。何故減価償却費を足すのかというと、減価償却費は経費として計上していますが、現金支出が伴っていないので足すのです。(現金がマイナスになっていないのでプラスにするという考え方)そして、借入金の元本は損益計算書の経費になりません(負債の返済なので貸借対照表に載ってきます)ですが、支払はあるので、キャッシュフローベースの利益を計算する時はマイナスするのです。

細かく言うともっとやることはあるのですが、金額が大きく動くのはこの2つです。キャッシュフローを俯瞰して見る場合、頭の中の計算でできるのが上記のやり方です。キャッシュフローベースで黒字になっているか?も注意して財務諸表を見て下さい。