金魚姫

夏らしい表題と表紙の絵に惹かれ購入しました。屋台で取ってきた金魚がたまに女の子になって主人公の生活が変わっていくというお話です。そんな現実離れした話・・・と多少軽く見て読み始めましたが、読んでいくうちにハマってしまい、寝る前に読み始めたが気が付いたら3時になっていて焦って寝たなんてこともあった本です。

怖くて、せつなくて、可愛くて、それでいて遠い昔と現在の奥行も感じられる本です。突然何千年も前の怖い話になるのでビックリしますが、人の思いというのは何千年経っても生き続けるのだとつくづく思いました。

主人公もブラック企業で堕落した日々を送っていましたが、ある日亡くなった人が見えるようになって、その人から声をかけられ、亡くなった人の思いを残された人に伝えるうちに仕事であるお仏壇のセールスの売上げが伸びたりします。何のために生きているのか分からなかった主人公の生活も金魚の世話をしなくてはならないという使命感から徐々に変化していきます。主人公の人としての成長も感じられる本でした。

写真の朝顔は今年自宅のベランダで種から育てたものですが、ハートの葉っぱと、金魚の尾のようなヒラヒラした八重の花びらが可愛い朝顔です。蛇足ですが、金魚は様々な品種改良を行ってあんなに特徴のある姿になったのだそうです。朝顔も江戸時代に様々な品種改良を行って色々な変わり朝顔ができたそうです。うちの朝顔は西洋朝顔ですが・・・・金魚と朝顔ってちょっと似ていますね。