グランドフィナーレ

数々の賞を受賞している映画作品です。観終わった直後に感じた感想は何と感想を書いてよいか分からない作品だと思いました。
世間で様々な分野で成功を収めた人々がアルプスの高級ホテルで過ごしています。主人公の音楽家も引退しここで過ごしています。セレブ達が集まるこのホテルではゆったりと時が流れ、皆のんびりと余暇を過ごします。中には生涯現役にこだわり撮影に没頭する映画監督もいますが・・・多分この映画は観た人それぞれが独自な感想を持つのだと思います。こんな生活してみたいと思う人もいるだろうし、こんな生活が幸せか?と疑問を持つ人も居ると思います。

何と書いて良いか分かりませんが、私がこの映画を観て感じたことは、私はまだまだ若いという事。私も多分あと30年以上は生きると思うし、その間にも私がまだ予感もしていないような出来事もあるような気がします。5年後10年後の事はたまに考えますが20年後のことまで考える人はあまりいないと思うからです。

主人公は高齢でまるで死を待っているかのようで少しうら悲しい気がしました。主人公の親友の映画監督は生涯現役にこだわり、やることや欲望がなくなったら、死んでるも同然と言います。実際、彼は時代遅れの映画監督と言われ、映画を撮り続けることが資金的にも難しくなった時に死を選びました。彼にとっては欲望がなくなったら、死んでいるも同然。ただ息をしているのと同じだったのです。

老後の余生を南の島などでお金の心配もなくのんびり過ごしたいという人を沢山知っていますが、私はそういう生き方には魅力を感じません。忙しい中に無理して余暇を過ごすのが良いのです。仕事があっての余暇です。私にとってはその位仕事が生きがいなのです。この映画を観て、何を感じるかでその人の生き方というか指向が分かるような気がします。とても奥が深い映画です。この映画を観て他の人は何を感じるのだろう?ととても気になってしまうそんな映画です。