かがみの孤城

ゴールデンウィークに読み終えました。2017年本屋大賞受賞作品です。私は本屋大賞には一目置いています。直木賞や芥川賞のように読んで落ち込んだり考え込んだりする本がないからです。様々な理由で同じ中学校に行けなくなった子供たち(いわゆる引籠りの子もいます)7人が自宅の鏡に引き込まれお城にやってきます。そこには自分の個室がありそれぞれが自由な空間。通常なら学校に行っている日本時間の朝9時から夕方5時までこの不思議な城に入れます。来年の3月までに願いの部屋に入る鍵を探して願いを1つ、1人だけ叶えることができるという特権があります。願いが叶った時点でこのお城は閉鎖されますが、鍵が見つからなくても来年の3月30日に閉鎖されます。

本を読み進めているとあれ?これいつの時代の話?とか時間の感覚とかあれ?と思うことも描かれています。でも当初の設定が設定なので気にせず読み進めていると最後の章でビックリするような展開になります。そうか。あの不思議な感覚はそういうことだったのか・・・そんなことならもっと注意深く読めば良かったと後悔します。そんな本です。終わり方も現実の世界での次の展開が想像できるような良い終わり方です。不登校になる理由は人それぞれ、それを理解している大人ってあまりいません。唯一ズバリ理解していたあの人が実は〇〇さんだった。知り合う前から知り合いだったという温かい気持ちで読み終えます。流石本屋大賞!という作品です。