吹上奇譚

本屋さんでこの表紙の少女と目が合ってこの少女の目に吸い込まれるように買ってしまいました。「吹上奇譚」読み方分かりますか?「ふきあげきたん」だそうです。奇譚とは不思議な物語を意味するようなだけあって、不思議なお話でした。二卵性双生児の双子の姉のミミと妹のこだちは、幼い時に両親が交通事故にあい父は亡くなり、母は眠り病になっていまでも病院で寝続けています。この姉妹は母の友人であったアイス屋さんを営んでいるコダマさんちにお世話になっていました。

大きくなっていつまでも目覚めない母とそして他人であるコダマさんにお世話になる申し訳なさもあり、2人で東京の下北沢に部屋を借り、姉のミミは短大の文芸学科に通い、妹のこだちは洋裁の専門学校に通います。卒業して仕事が安定してきた矢先、ある日突然妹のこだちが居なくなります。コダマさんや姉のミミは必死になって探しますが見つかりません。

そんな時、ミミは藁にもすがる思いで、虹の家を訪ねます。そこには同じく双子の姉妹がいて予言者のような仕事をしています。双子と言っても見た目は老婆と少女です。その予言を基にミミは行動を起こします。この地域には昔から異次元の人と生粋の日本人が混在していて、ミミやこだちは父(純粋な日本人)と母(異次元の人)とのハーフだということを知ります。親子愛姉妹愛そして家族愛を感じるファンタジー小説でした。