マネー・ショート 華麗なる大逆転

リーマンショックが起こることを予測して、それに債権の空売りや金融商品(スワップ)を組み合わせて、大儲けした実話です。一人のちょっと変わった天才が目論見書などをじっくり見て、デフォルト率などを算定し、サブプライムローンが破たんすることを予測して、空売りをしようとします。その時期、債権価格は上昇し格付けもAAAだったため、応対した銀行員などは狂った人が居たと飲み屋などでバカにします。その話を聞きつけたり、または、何らかの疑問点を持った何人かは、ある人は現地で家はちゃんと販売されて使われて住宅ローンも返済されているのか。などの調査やローンを組んだ業者に質問などをして、調査の結果、これは破たん間違いないと同じようなリスクヘッジをします。また、別なチームも資産運営会社で見た資料からその事に気が付き、有名な金融専門家の意見も聞き実行します。結局、その予測は当たり大金を手にします。

驚いたのは、サブプライムローンのデフォルト率が30%を超えても債権価額が上昇した点。そして、格付け機関もAAAの格付けを落とさなかった点です。異常です。債権価額が上昇すれはこれらの予測者たちは多くの保険料を支払わなくてはなりません。結局、ある投資会社の破産がされるまで、債権価額は上昇し続け、格付け機関も格付けを落としませんでした。これが事実だとすると(事実なのですが・・・)格付けなんて信頼できないと本当に怖くなりました。金融機関も格付け機関も国でさえ、この事実に目をつぶり、返済可能性のないローンをバンバン貸しまくりました。銀行も自社がローンを貸すのなら返済できなそうな人には貸しませんが、結局そのツケはサブプライムローンという債権にして、一般人に買わせてしまえばリスクを負うこともありません。損をするのは結局のところ債権を買った一般人なのですから・・・

あ~怖い怖い。そんな映画でした。それにしてもこれらに気が付いた4人(チーム)ですが、これが決定するまでは気が気じゃなかったでしょう。債権価値が上がれば自分たちは大損をします。しかも半端な額ではありません。実際デフォルト率が高まっても債権価格は上がり続け、格付けも落ちませんでした。私がこの人達の立場でこの情報を知ったとしてもこんな博打はしませんね。何しろ心臓に悪いし、生きた心地がしません。まぁ、この位のリスクを取らないと大金持ちにはなれないということですね。私は大金持ちにはなれそうにありません。