事業承継税制の背景

我が国の中小企業は平成11年には483万社でした。ところが年々減少し、15年後の平成26年には380万社になっております。この15年間で約100万社もの中小企業がなくなりました。また、平成7年には経営者年齢のボリュームゾーンは47才でしたが、平成27年には経営者年齢のボリュームゾーンは66才になっております。これは20年前の経営者がそのまま当時のボリュームゾーンがそのままスライドした形になっています。

今後10年間に代表取締役が70才以上になるのが254万社あり、そのうち半分が後継者が決まっていないというのが現状です。そうしますと、2025年には650万人の雇用が失われることになり、GNPが22億円減少します。しかも利益が出ていて有能な会社でも後継者がいないという状態です。

そこで国が立ち上がりました。650万人の雇用が失われGNPが22億円も減少したら大変だ!と・・・いわば政府が後継者をなかなか決めない中小企業に痺れを切らして、今回の太っ腹税制が誕生したのです。確かに今の経営者は生涯現役を目指す方も多く、後継者をはっきり決めるということは自分が立ち退くということを前提に決めるので腰が重いというのも事実です。この税制ができたおかげで税理士としても後継者問題の話がしやすくなりました。