いとしのヒナゴン

この本の表紙の絵にお茶目さを感じ購入しました。舞台は比奈という田舎町のヒナゴン騒動にまつわる話です。30年前に不審な生き物を見たという証言が相次ぎ人々はそれを「ヒナゴン」と呼んでいました。謎の類人猿が十数回に渡って目撃されてい全国的にもヒナゴン・ブームも沸き起こりました。それが今年になってから4人も目撃証言が相次ぎ再びヒナゴンに着目され始め、比奈町役場では町役場類人猿課までできて盛り上がっています。

主人公のノブは25歳の女性で東京にいたが比奈町に戻ってきて町役場の類人猿課で働きます。比奈町長のイッチャンは40歳ですがヤンキー上がりのヤンキーのまま大人になった常識外れな市長。その他にも様々な個性の強い人々が登場しますが、この町長が強烈です。本を読んでいて始めは誰がこんな人を町長にしたのか?こんな人町長になるのか?と正直思いましたが、ところどころで損得勘定なしの人情派の一面を感じます。

ヒナゴン探しを通じての人間模様が描かれていますが、大人になるって変化することだけど、変化しないことも必要なんじゃないか?また、もっと年をとったら変化したくなくても変化してしまうんだと色々考えさせられる本でした。