影裏

芥川賞受賞作品です。読み方は「えいり」です。不思議な本でした。釣りの描写や風景の描写で妙に細かく繊細な書き方をするなと思うところと、日常をあっさりと何の感情も表現せずに淡々と物語が進むところと、もう少しそこ説明した方がいいんじゃない?と思う部分と、何だろう。この違和感。

主人公の男性は釣り好きでお酒好きでお洒落な感じではなく線が細いイメージですが、別れた恋人は男性のようだからゲイなのか?でも感情を書かないので、何だかよく分からなく芥川賞とはこういうものなのかと私の理解を超えている世界のようでした。

ただ、この本に出てくる鮠(うぐい)という魚を知らなくて、どんな魚か?と思っていたところ、たまたま田沢湖で絶滅したクニマスの事を調べていたときに、生き残った魚として鮠が出てきたので、おおっ何というタイミング!と思ったくらいです。影裏の本の内容からすると、捕まえてもしょうがない魚らしいですが・・・94ページしかない短編小説でしたが、何だかとても不思議な本でした。