ロンリネス

この本は女性雑誌「VERY」に3年間連載されていた作品をまとめた小説です。この雑誌のターゲットである30代から40代にかけての女性が主人公になっています。結婚・出産・育児・復職・恋愛など、主人公有紗の目線で小説が展開されます。雑誌に毎月連載されていただけあり、女性目線が細かく描かれていて、女性なら主人公と一緒に悩んだりしてしまうのではないか?と感じる小説です。

あまりにもリアルなので作者の実体験なのか?と思うほどです。特に夫に対する感情がリアルで、家のことを何もしない気が利かない夫に対するイライラなどは多くの女性が抱えている感情と一致するのではないでしょうか?女性は男性よりも結婚という事態に生活が大きく変化します。それに出産・育児が加われば尚更です。この小説はVERYの多くの読者を惹き付けたことでしょう。しかも夫婦にはどうしようもない問題というものが存在します。

例えば有紗には子供がいるのですが、もう一人欲しいという有紗に対し、夫の俊平は1人で充分と取り合いません。理由は経済的に1人で手一杯との事です。それなら一人の子供にお金をかけようと私学に入れたいと言っても取り合ってくれない。理由はそんな余裕はない。という事。この場合、どちらが正解なのでしょうか?どちらが正解かは何とも言えませんよね。夫婦は元々他人ですから様々な考えの相違があって、どちらが合っているとか合っていないとかそのような問題ではなく、どちらかが受け入れる。又は二人で歩み寄るしか解決は無いんだな~他人と暮らすのは大変だ!とつくづく感じた本でした。