消費税実務開始2

前回のブログで消費税の実務について会計ソフト入力時の注意点についてお話しましたが、今度は実際の仕訳についてお話します。このような取引があったとします。皆さんはどのように仕訳しますか?

あるコンビニエンスストアで税込877円の文房具と278円の飲料水を購入したとします。キャッシュレス還元額は23円で、それを控除した1,132円を支払いました。つまり877円は10%対象、278円は8%対象、そしてキャッシュレス還元は23円です。
(借方)事務用品費 877円 / (貸方)現金  1,132円
(借方) 消耗品費 278円 / (貸方)雑収入 23円

このように仕訳をしますか?正確に仕訳をしたいと思った時、これが実際のキャッシュレス還元ならそれで正しいと思います。雑収入の消費税コードは不課税処理です。ただ、前回のブログでもお話しましたが、コンビニエンスストアの中には、実際の国から認められた中小企業の還元業者(フランチャイズ契約など)の場合と、コンビニ直営店(大企業扱いなので還元業者になれない)があります。ただ、同じ系列のコンビニなのに還元する店舗と還元しない店舗が出ると経営上支障をきたすので、還元業者でないコンビニは独自にいわば自腹を切って還元することにしたのです。

そうするとどうでしょうか?還元業者からの還元なら雑収入(不課税処理)で大丈夫ですが、還元業者ではない自腹還元については仕入値引(経費控除)となりますよね?本当はそれが正しいのだと思いますが、還元業者か独自還元かを消費者が判断することは実務上難しく、さらに8%と10%の混合取引の場合はキャッシュレス還元額を8%にかかるものなのか10%にかかるものなのかを計算するのは実務上とても煩雑になります。ですから上記仕訳でやらざるを得ないと考えます。これはあくまでも私の考えでありますが・・・

税理士会は複数税率もキャッシュレス還元も反対していました。何かトラブルになることは目に見えていましたからね。やはり起きたか!という感じです。