カッコウの卵は誰のもの

カッコウという鳥は知っていますよね?そう他の種類の鳥の巣に自分の卵を産み他の鳥に雛を育てさせる鳥です。この場合、卵は誰のものなのでしょうか?卵を産んだカッコウ?育てた鳥?それとも、誰のものでもなく雛そのものの意志?

遺伝ってありますね。例えば素晴らしい身体能力を持った親の遺伝子を継いだ子供がまた、素晴らしい身体能力を持つというもの。もともと、身体能力が高い遺伝子を調べることが出来て、子供のうちからその子にあった教育を受けさせることがあったら、日本からもオリンピックで金メダルを取るような選手が沢山排出できるのでは・・・そんな志のもと遺伝子研究をしている会社があります。すばらしい遺伝子を持った子供を見つけて早期教育をするのです。さて、結果は・・・確かに素晴らしい遺伝子を持った子供はそこそこの記録を出します。でも、それだけじゃダメなのです。要はそれを上回る本人の強い意志と志がなければ、世界レベルでは通用しません。むしろ遺伝子よりもそれを上回る努力や意志の方がよっぽど重要です。そんなことを教えてくれる本です。

また、親子の信頼関係とか愛情ってどんな風に蓄積されるのでしょう。例えば、生まれてからすぐに離れ離れになった親子でもずっと心に残って気にかけている場合もあります。でも、例え血が繋がっていなくとも毎日親子として過ごしているうちに本物の親子以上の愛情を持ち合わせることもありうるのです。この本は、ミステリーながら様々な角度から様々な想い、しかも何種類もの課題を与える本でした。しかも、結論は押し付けないので読む人によって感想は変わると思います。考えさせられる本でした。