私募債の税務 要注意

少人数私募債は以前から中小企業を中心に行われた社債です。会社が私募債を発行してその引き受けを社長などが行います。会社は社長に私募債の利息を支払います。社長はこの私募債から生ずる利息は利子所得となり20.135%の源泉所得税の分離課税ですみます。私募債を発行せず、単なる金銭消費貸借契約ですとそれから生じた利息は雑所得となり、総合課税の対象となります。高所得者の場合、総合所得だと最高で55%(所得税45%、住民税10%)+復興所得税(所得税の2.1%)が課税されます。法人からすると支払う利息は全額経費となりますので、金銭消費貸借契約でも私募債でも変わりませんが、利息を受け取る方からすると20.315%で済むのかそれ以上の税金になるのかは大きく違います。

平成25年度の税制改正で平成28年1月1日以後に発行される社債については、20.315%分離課税ではなく、総合課税となるという改正が行われました。発行日ベースだったため、節税対策で駆け込み私募債を発行した会社も多いと思います。

ところが平成26年度の税制改正で平成27年までに発行された社債についても、平成28年以降の利息については、総合課税とするとなりました。節税対策で駆け込み発行した会社からすると納得いかないと思います。

ただし、この規定はその会社の株主や役員でないものが支払いを受ける利子については、平成28年以降も20.135%の分離課税となります。