スタンフォードのストレスを力に変える教科書

この数ヶ月かなりのストレスにさらされていました。生涯で一番つらい時期だったかもしれません。こんな時この本に巡り合いました。とても勉強になりました。ストレスは健康にも悪いと思っている人は多いと思います。私もそう思っていました。ストレスにだらけの職場で働いている友人の愚痴などを聞くと体に悪いから転職すればいいのにとも思っていました。ところがこの本にはストレスは健康に悪いと思い込んだ場合に限ってストレスは有害になるということでした。

ストレスホルモンの中にはコルチゾールとデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)という2つのホルモンがあります。両方ともストレスを感じたときに出るホルモンですが、コルチゾールは糖代謝や脂質代謝を助け体と脳がエネルギーを使いやすい状態にし消化や生殖や成長などストレス時にはあまり重要でない生物的機能を抑える働きもあるようです。一方DHEAは神経ステロイドの一つで脳の成長を助ける男性ホルモンだそうで、ストレスの経験を通じて脳が成長するのを助けコルチゾールの作用を抑制し創傷の治癒を早め免疫機能を高めるそうです。コルチゾールもDHEAもどちらも体に必要なストレスホルモンですが、コルチゾールの割合が高いと免疫機能の低下やうつ病などの症状が表れる可能性があり、DHEAの割合が高くなると不安症、うつ病、心臓病、神経変性などストレスに関連する病気のリスクが低下するそうです。コルチゾールに対するDHEAの割合はストレス反応の成長指数を呼ばれ、成長指数が高い(DHEAの割合が高い)とストレスに負けず辛い事を努力をして粘り強くやる傾向にあり成功する人が多いようです。

勝負どころで心臓がバクバクして手に汗握るという経験は誰にもあるかと思います。それは体がストレスを感じ、肝臓はエネルギー源となる脂肪と糖を血液中に放出し、呼吸が深くなり沢山の酸素を心臓に届けます。そうすると心拍数が上昇し、酸素と脂肪と糖が筋肉へ運ばれます。ストレス反応は目の前の問題に立ち向かうための準備を整えます。どうですか?つまりこのような症状は体が自分を応援している証拠でもあるわけです。ストレス反応を最大の味方にする方法なども書いてありストレスに対する見方がかなり変わりました。日頃ストレスを感じている方に是非読んでもらいたい本です。