日精協原稿

今月号の日本精神科病院協会の本の特集ページに原稿を書かせていただきました。久々に8000字の依頼でボリュームの多い原稿でしたが、今年はコロナの影響で、セミナー講師の仕事が全て無くなって暇なため何とか書き終える事が出来ました。医療法人の組織形態を医療法の歴史的変遷にも触れながら解説しています。

医療法人制度ができたのは今からちょうど70年前の事ですが、医療法人は非営利の医業事業が経営主体であるため商法上の会社は馴染まず、だからといって公益法人の要件も満たさないため、商法上の会社と公益法人の間の中間法人として誕生しました。当時昭和25年は戦後のインフレ時代で税制も所得税と相続税の負担が大きかったため病院の経営者が亡くなると病院を継続できなくなるほどの多額の税負担が生じたため、主税局との調整や詰めが甘いまま医療法人制度ができました。

それが時代を経るごとに様々な問題を生み、医療法の改正により様々な医療法人の組織形態ができました。それらを歴史的変遷などにも触れながら解説しています。医療法人が手放しで利益が出る時代は大昔の事であり、人口が激減する現在は生き残りをかけたサバイバルレースに突入しているのです。従業員の雇用のため、地域医療のため、患者のため、経営者や家族のため、激変する診療報酬に対応し、激変する医療法や税法に対しても柔軟に対応できるスキルが経営者にも求められているのだと思います。そんなことを書いてみました。