不格好経営


マッキンゼーでコンサルタントをしていた著者がある日同じマッキンゼーで働く2人を誘って起業します。散々コンサルタントをして経営とは何かと知っていたはずなのに4年連続で赤字を出します。その後赤字脱却を図り事業拡大をするまで、様々な困難を乗り越え会社を大きくする様子を書いた本です。

女に学問は必要ないという厳格な父のいる家に育ちながらも家を出たいという一心で東京の大学に行き、マッキンゼーに就職するも、仕事もうまくいかず、逃げ出すようにアメリカに留学しMBAを取得します。日本に戻りマッキンゼーに再就職し、コンサルタントとしての腕を上げマッキンゼーのパートナーにまで上り詰めます。ある日突然、起業という熱病にかかりマッキンゼーを辞めて、DeNAを立ち上げます。

それからの人生は波乱万丈。まさに一難去ってまた一難という仕事を乗り越えながら、会社を大きくしていきます。女性起業家が書いた本を読んだのは初めてでしたが、率直な感想としては、起業というのは女性も男性も関係ないなと思いました。ただ、びっくりしたのは、判断が潔いという点です。起業をした時も、社長を辞める時も何しろ潔い。その時、自分にとって何が一番大切なのか充分把握し、そのために自分の時間を使うというのが男性にない女性らしさというか潔さなような気がします。

女性で起業を目指す人には是非読んでもらいたい本です。著者は様々な困難が目の前にあらわれたとき、さぁステージに上がったと思って乗り越えたと言います。困難を避けるのではなく、立ち向かって乗り越えていく姿に不覚ながらも泣きそうになりました。起業を目指している人が読む本として、お勧めは、この本と2015.1.9のブログに感想を書いた”生き方”です。”生き方”が聖書なら”不格好経営”は指南書です。両方とも是非読んでおきたい本です。