おらおらでひとりいぐも

主人公は74歳の桃子さん。最近脳内で様々な声が聞こえ雑談しています。東北弁丸出しの様々な声が勝手な事を言っています。桃子さんは会った時から印象が良かった周造さんと結婚して一男一女をもうけました。周造さんの好みの女性になろうと必死で頑張ってきました。子育ても終えおだやかでしあわせな日々は周造さんが心筋梗塞であっけなく亡くなってしまって一転します。15年も前の出来事ですが、未だ受け入れられないでいます。でも不思議な事にもう誰かのために生きなくていいという環境におかれ開放感という逆の感情も生まれます。自由という感情・・・

愛する人を失い、子供も2人とも独立し今は一人で暮らしています。たまにもの凄い孤独感と寂しさに押しつぶされそうになりますが、逆に自由な解放感という気持ちにもなりながら生きています。実際にこのような状況にならないと本当のところは分からないけど、でもきっとそうなんだろうなと思います。孤独感と開放感は表裏一体です。その部分の感情の描写が繊細で、多分多くの女性がこの年齢になったら感じる事だろうと思える本でした。それでも子供から連絡あると嬉しいし、孫が遊びに来たら嬉しい。きっとそんなものです。私も自分の親とそんなに頻繁に連絡を取っているわけではありませんが、連絡してみようと思いました。私も母に言われます「子供は親に会いに来るのが役割だから・・・忙しくてもたまには連絡ちょうだいね」この本を読んで反省しました。うちの母もこんな思いしているのかしら?うちの場合はまだ父が元気だから良いけれど、ちゃんと連絡しなきゃなと思いました。