コロナ後の税金

東日本大震災の時、国は復興のために多額の資金を使いました。そして復興後の2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間復興特別所得税という新しい税金が所得税の2.1%割増しで課税されることになったのです。今回のコロナ関連は東日本大震災の影響区域だけではなく日本全国に及ぶのでそのための助成金や補助金など多くの資金が使われています。するとコロナ後どうなるのでしょう?国家財源は御存じのように国債と税収です。ということはコロナ後は税金が上がると考えて間違いありません。復興特別所得税のように地味に2.1%(だけど25年間)だけでは済まないような気がします。

では何の税金取るの?と考えた時、法人税はないかなと思います。なぜなら法人税を上げてしまうと日本の企業が国際間競争に耐えられなくなり、日本の国力自体を脆弱化させるからです。では、所得税か?うーん。これも難しいのではないのでしょうか?東日本大震災後、復興特別所得税を課しましたがその税率をもう少し上げるということは有り得ますが、その他の制度については今回年末調整や確定申告を行う人には分かると思いますが、だいぶ変わりました。いわゆるお金持ち不利税制になっています。そこでこれ以上やるか?という感じです。消費税については本来国際比較をすると20%くらいまでならやれるのですが、最近10%にしたばかりでしかも消費税は国民全ての人に影響する税金です。これを更に上げるとなると国民の批判は必須です。これに政府が耐えられるか?

そう考えると相続税及び贈与税しかありません。近年相続税・贈与税の税務調査が多くなっています。また、マイナンバーやCRSの普及により個人の財産が把握しやすくなっています。相続税は何年か前に大増税が行われましたが、それでも相続税の対象になった人は9%に届かないくらいです。つまり相続税は国民の1割弱しか関係ないので相続税の増税は(人数的に)国民の理解を得られやすいのです。そこで相続税・贈与税の一体課税が吟味されています。現在相続開始前3年以内の贈与を相続税の課税価格に入れないといけないという制度がありますが、その年数を3年ではなく、もっと伸ばすかもしれません。教育資金贈与や住宅取得資金贈与も出来た頃より要件が厳しくなっています。ここ数年が暦年贈与のチャンスかもしれません。税理士は毎年税制改正があり、また、早く入手して検討しなければならない大変な仕事だと最近つくずく思います。