護られなかった者たちへ

この映画は東日本大震災と生活保護という問題に焦点を当てた作品でした。殺人事件を追ううちに少しずつ分かってくるのですが、私は東京に住んでいるのでそこまで身近に体験をした人が居ません(帰宅困難者の体験はありますが)、宮城県では随分と多くの人が亡くなっているんだと実感しました。みんな家族や職場を失い見えないストレスを抱えて生きていました。

そんな中でも血が繋がってもいないのに、性別・年齢を超えた繋がりが生まれたり、護らなければならない人ができたりしますが、それでも日々生きる事に精一杯な人々がいます。宮城県の津波災害があった地区では職場を流され職を失った人が仙台市に移住して、生活保護を求める動きもあります。もちろん、受けなければならない人もいれば、働けるのに不正受給する人もいます。

生活保護申請をする人が多くいる中、何をもってそれを決めるのかはとても難しいです。原理原則に従って不受給にしたとしてもその原理原則自体にやむを得ない事情がある場合もあります。だからといって例外をことごとく認めていたら不正受給も増えるでしょう。生活保護の在り方をとても考えさせられたし、東日本大震災で残された人々の痛みもよく分かった映画でした。