論語と算盤

今年ラストの本は「論語と算盤」です。ラストの本に相応しい内容だったかと思います。渋沢栄一氏が生きた時代は、日本では武士道という倫理観はあったものの質素倹約が良いとされ、商人の地位は低く、お金儲けは悪しき行為とされていた時代です。そんな激動の時代にどう日本の産業を発展させたのかを知りたくてこの本を読みました。

渋沢氏は政治の道に入ったものの、わが国を発展させるには商業の発展しかないと確信し、株式会社の設立をはじめ日本の産業の基礎を作った人物です。政治を捨て商業の道に進んだ時、国を捨て金儲けに走るのかと詰る人もいたとの事ですが、そんな小さな野望ではなく、日本全体を見て日本発展のためには避けては通れないと自らこの道を進んだのです。青年の頃からこの国の発展のために尽力し、常に希望を持って生きていた人でした。

実業家であると共に精神は政治家だったと思います。論語を学びの柱として様々な事業を発展していきました。算盤は商業発展の礎ですが、論語を生かして商業を発展させるという手法でした。その考えは以前読んだ(2015.1.9ブログ参照)稲盛和夫氏「生き方」の考え方に似ています。今では当たり前のWinWin手法を今から140年以上前から取り入れていたとは感服しました。この本を書いたのも70歳過ぎてからで、91歳まで求め有れば事業の相談などをしていてこれぞ正に生涯現役を貫きました。あまりにも凄い生き方に今年最後の本として最適でした。

今年もブログを読んでいただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。良いお年をお迎えくださいませ。