座右の寓話

本屋で手にして気になった本です。寓話(ぐうわ)とは、 比喩 によって人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ、それによって諭すことを意図した物語 とあります(Wikipediaより)。この本は77話もの寓話が1ページ(ものによっては2ページ)に記載してあり、それぞれの解説を寓話ごとに記してあります。1話1話完結するので夜寝る前に1つ寓話を読んで寝るというような読み方もできました。また、その性質によって数個ごとのカテゴリーに分類してあるのも読みやすかったです。

第8章に科学技術と社会のかかわりという章にドキッとしたことが載っていました。理念なき科学技術の進歩は「ブレーキもハンドルもなくアクセルしかついていない自動車」のようであり、人間喪失の危機をもたらす。というものです。確かに科学の発展は近代化には欠かせないものであったし、それによって便利な生活を手に入れました。でも人間の力では制御できないくらいの大きな脅威(例えば核)も生み出しています。おそれく開発した人々はこんなつもりで開発したのではないはずです。

寓話はイソップ寓話、仏教寓話、荘子の寓話、イエスのたとえ話、道和などがありますが、ストレートに物を言うより、寓話で話した方が聞き手がこの人は何を言っているのだろうかと考え、より深く物事を考えられるような気がします。ストレートに相手に言った方がいい例もありますが、それだと壁を作って聞いて貰えないこともあります。そのような時に寓話をネタにお話しされるのはどうでしょうか?何かのスピーチにのネタにもなりそうな本でした。