ベイビー・ブローカー

この映画は韓国映画で主演もソン・ガンホ氏なので、「パラサイト半地下の家族」(2020.2.29のブログ参照)に似たような映画なのかなと思いながら観に行きました。貧困層の目線から描かれた映画ということや闇の部分を含んだ映画という部分では似ていましたが、監督が是枝監督なので、内容というか撮り方が全く違いました。是枝裕和監督の映画らしく悪党の人にも善の部分があり、表現が不器用という部分ではどちらかというと、「万引き家族」(2018.6.15のブログ参照)の方が似ています。

しかも余韻があるという意味でも、解釈を押し付けないという意味でも万引き家族に似ていました。やっていることは法律違反ですが、捨てられた子供が幸せになるために子供を欲しがっている家庭に提供して何が悪いと言われるとそうかなと思ってしまいますが、やり方というか手段が悪いのです。でも子供の幸せを考えて相手によっては売らないという判断をしたり子供に対しても大事に扱っています。殺人犯の子供にしたくないと思う若い母親、捨てられた過去を持つ青年、家族に見捨てられた中年、自分も養子として貰ってほしい少年、それぞれの立場から色々な感情が交差する映画でした。