性差による資格業の意識

年賀状を書く季節になりました。作成中にプリンターが壊れてしまい、宛名を途中から手書きしていて昨年の年賀状を引っ張り出して宛名を書いています。そこで気が付いたのですが、ある開業税理士の男性から昨年の年賀状に「売上はあがりましたか?」というコメントが書かれていました。一昨年は「顧問先は増えましたか?」というコメントでした。私は売上を増やすことや顧問先を増やすことに事業の趣を置いていなく、いかに顧客にサービスの提供をして息の長い信頼関係を築くかに趣を置いています。だから、毎年の友人のコメントには違和感を覚えるのです。おそらく友人は売上UP顧問先数UPに趣を置いているのだと思います。

最近、日経新聞に一橋大学の準教授の「男女の行動の違い」というコラムが載っています。それによると、ある計算問題を解いてもらう実験で報酬金額は高いが何人かの中で1番になった時だけ高い報酬が貰え、合っていても2番以降だったら報酬はゼロになるトーナメント報酬制と、報酬は低いが合っていれば確実に報酬が貰える制度では、トーナメント報酬制を選ぶのは男性ばかりだという結果だったようです。実験の結果一番高い正答率を答えたのは女性でしたが、その女性でさえもトーナメント報酬制は選ばなかったのです。

トーナメント報酬制はリスクがあり、自分の順位を推測してもらうなどして自信過剰の度合いも合わせて実験した結果、男性がリスクを取りがちで女性はリスク回避型が多いということが分かりました。これは男性が自信過剰で楽天的だから、女性は自己評価が低いことが報酬水準の性差に結びついていると言っています。

でもこれは性差というより、環境要因、つまり、フランスの作家ボーボワールの「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と有名なフレーズを例にあげ、小さい頃から危険を伴う遊びに挑戦する男の子は褒められ、女の子には家庭的なおもちゃが与えられるといったジェンダーの刷り込みも影響しているのではないかと言っています。

そういえば、私にも3歳年下の弟がいますが、受験期が重なっていたため、弟は男の子だからそちらの受験を優先したいので出来れば就職してほしいと親に言われたことを思い出しました。女性だけの姉妹の場合そういったことはないようですが、兄弟・姉妹に男の子が居ると多くの場合、親の期待は女の子ではなく、男の子になるというのを経験した人も多いと思います。

そうはいっても、お前はリスクがある開業をしているじゃないか。と言われそうです。確かに母親に「女の子は誰と結婚するかによって人生が決まるから貧乏な人と結婚したら一生苦労する」と言われましたが、私は心の中で「それなら自分で稼げばいいじゃないか。男性に頼らずに・・・」と思っていました。その反面教師から開業したのかもしれません。(苦笑)