税理士法改正

税理士法が改正されました。まず、2カ所事務所の問題。税理士は登録した事務所でしか税理士業務を行う事ができないものとされていました。ところがコロナ禍になり、世間ではテレワークが進みます。では、税理士がコロナ禍で事務所ではなく自宅で税理士業務をしてはいけないのか?という問題がありました。これについては、自宅に税理士事務所という外部表示がなく、名刺等やウェブサイトにもそういった記載が無い場合は、2カ所事務所にならないということになりました。これは最近の働き方を考えれば当然の改正と言えます。

次に税理士試験の受験資格の緩和です。税理士試験をしようとする時は大学の法律学または経済学に関する科目の履修をするか、日商簿記1級の合格(全経簿記上級でも可)が必要でした。それが会計学科目(簿記論・財務諸表論)に限り税理士試験の受験要件を撤廃しました。また、税法科目については法律学・経済学だけではなく社会科学に属する科目の履修でも可能となりました。私の意見としては税法科目は会計科目2科目合格者であれば受験できるということにしてほしかったです。

そして元税理士に対する懲戒処分です。今までは税理士法違反行為等があった場合の税理士に対する懲戒処分は現に税理士であることが要件になっていました。ですから本人が懲戒処分を受けそうだと思ったら税理士登録を抹消して、懲戒処分を受けずに、ほとぼりが冷めた頃に再登録をする不届き者が居たのです。ですからニュースでは税理士が犯罪をおかすと元税理士という名称が頻繁に出ていたのです。それが税理士登録を抹消したとしても(登録をしていたら)懲戒処分を受けるべきであったことについて決定をすることができるようになりました。懲戒処分は業務禁止処分や業務停止処分を受けますから、一定の期間再登録できないこととなります。これは当然と言えば当然ですね。世の中には違法まがいの脱税方法を堂々と指南する税理士もいますから、脱税と節税ははっきり違う事を認識する必要があります。その他の改正もありますが、ここに書いた3つが大きな改正となります。