青い約束


この本はアラフォー世代になった主人公が学生時代の思い出および確執を思い出しながら、当時の回想を織り込み現在を生きるという本です。有名進学高に通う主人公が当時の親友および恋人を同時に失うという経験をします。真相ははっきりしないまま、ただただモヤモヤとした感情を抱えたまま大人になります。当時の親友と偶然再会して当時の記憶を思い出し当時分からなかった何故?何故?と思っていた事実を徐々に知ります。

何故恋人は死んだのか?何故親友は黙っていたのか?不可解な恋人の死に対し沈黙を続ける親友に対し主人公は不信感を持ちます。恋人は何故自分に何も相談してくれなかったのか?親友は何故、暴力事件を起こして退学してしまったのか?実は二人は自分に内緒で付き合っていたのではないか?悪い想像ばかりしてしまいます。

20年位経ち、かつての親友との再会で徐々に真実が明らかになった時、恋人も親友も自分が不信感を抱く前の存在だったのだと知ります。運命のいたずらというか誰も悪くない運命に翻弄された事実を主人公は知ります。恋人が自分ではなく親友に相談したのも、親友が自分に黙っていたのも、全て主人公を大事にしたいからという気持ちであることを知ります。なんて切ない小説なのでしょう。でも、20年かけて親友との確執が解消されて良かったです。

皆さんは親友に対して隠していることありますか?もし、あるとしたら、それは親友の事を思っての事だと思います。親友に寄り添っていたいからだと思います。隠し事=信頼されていない と思うのは早計だとこの本は教えてくれます。全てをぶちまけるのが愛ではなく、黙っていることも愛だということを教えてくれます。