インボイス制度注意点その4

免税事業者が適格請求書発行事業者となったことにより課税事業者になった場合には、課税売上にかかる消費税から控除する金額を売上税額の8割とすることができる(2割特例)というものがありますが、事前の届出が不要です。ここで注意したいのは、この「2割特例」は、その適用期間(令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間)において、課税期間ごとにその適用の有無を判断しなければならないという点です。

例えば、9月決算法人で本来免税事業者なのに、適格請求書発行事業者になったとします。令和5年10月1日~令和6年9月30日までの申告は売上は1,000万円を超えていましたが基準期間の課税売上高が950万円であったため、2割特例を使って80%仕入税額控除をしました。令和6年10月1日~令和7年9月30日は基準期間(2年前)の課税売上高が980万円であったため、再び2割特例を使いました。令和7年10月1日~令和8年9月30日はまだ適用期間ですが、基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円を超えていたため2割特例は使えません。

ここ、間違えそうですよね。まだ2割特例適用期間だし、2年連続2割特例使ってきているので、使えると思い込んでいると大きな誤りになります。2割特例はあくまでも、もし、適格請求書発行事業者じゃなかったら免税事業者である。ということを前提としています。毎年使ってきていても、適用期間内であっても毎年、基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円以下かどうかを確認する必要があります。