夢幻花



この本は表紙の絵が気に入り、また東野圭吾氏が著者だったので間違いないと思い購入しました。最初の4ページで昭和36年に起こった殺人事件の様子が描写されます。えっこの本そんな昔の事を題材にしていたの?と思っていると現在に戻ります。最初の4ページが何だったのか分からないまま、ページは進んでいきます。

5月の感想に書いた「分身」と違ってなかなか予測が出来ませんが、少しずつ全貌が見えてきます。じわりじわり解けていく感じ、見事です。

黄色の朝顔を見たことありますか?昔はあったみたいですが、今は存在しません。その「黄色いあさがお」がキーワードとなって、様々な角度から沢山の人々がかかわってきます。この本は旅行中の夜などに読みましたが、次の日の夜が待ち遠しくなるほど楽しめました。お勧めのミステリーです。

最近話題のあの事にも関わってきます。これ以上言うとネタバレするので言いませんが・・・

主人公は若い女性ですが、最後に彼女が諦めかけていた夢をもう一度挑戦しようとする決意で終わるので、殺人などは起こるものの希望という光も見える。そんな本です。