墨のゆらめき

ホテル勤務の男性が主人公です。ホテルのイベントで手書きの招待状を記載するのを外注に出しているのですが、その書道家との交流を書いています。その書道家の何とも不躾なその人柄に最初は煙たがっていましたが、徐々に心が開いてきます。その方の過去を知った時、衝撃が走りますが、それでもなお、その人を人として大事な存在だと自覚するまでを描いています。

徐々にひかれていくその人柄。書道家としての才能に惹かれていきます。友情とはちょっと違うこのような関係を何というのでしょう。まぁ友情の一つなのだと思いますが、読み終わった後にほんわかと余韻が残るそんな作品でした。全体的に表現が繊細で読んでいてもその世界に引き込まれていきます。登場人物は男性ばかりですが、それでも読み終わった後にほんわりとした感じに浸れます。