PERFECT DAYS

日本アカデミー賞で最優秀監督賞と最優秀主演男優賞を取った作品です。映画は声がない映像が続きます。役所広司氏の演じる平山は東京都渋谷区のトイレの清掃員です。朝早い時間に外の竹箒で履く音で目覚め、歯を磨き着替えて古いアパートから出ます。家の前の自動販売機で缶コーヒーを買い、車に乗って渋谷区内のトイレを掃除しに回るのです。夕方になり仕事が終わると行きつけの店で食事を取る。夜は古本屋で買った本を読み眠りにつく。そんな毎日を送っています。休みの日は自分の家を掃除してコインランドリーで溜まった洗濯物を洗い、たまに行きつけのスナックに行く。

そんな規則正しい毎日を送っていると姪が家出して来たり、スナックのママの涙するシーンを見てしまうだけでかなりの刺激で、それは仕事の昼休みの休憩中の公園で見上げた木洩れ日を見ても心が洗われる。その木洩れ日の写真を撮り現像してコレクションとして集めています。この映画を見て最初はどこがPERFECT DAYなの?と思いましたが、あまり音がしないこの映画を観ていると、仕事をしてご飯を食べて雨風凌げる家に住み健康でいる。そして自然の木のせせらぎや木洩れ日を見て幸せを感じるというのが当たり前でいてすごく幸せなのではないか?と思ってくるのです。淡々と過ぎる日々に感謝する気持ちが自然に芽生えてくる不思議な映画でした。