成瀬は天下を取りにいく

本屋大賞受賞作品です。本屋大賞はハズレがないので必ず読むようにしています。序盤早々笑ってしまいました。この本面白い!すぐに思いました。読み始めが自宅で良かったです。電車の中では笑いをこらえることが出来なかったと思います。成瀬あかりの中2から高3までの青春時代を描いた小説です。私も悪いこと以外で迷ったときはやる主義ですが、成瀬は群を抜いてそれを実行します。群を抜いているというより突き出ています。とりあえずやってみるということを地で行く少女です。私は成瀬の足元にも及ばないので年下ながら成瀬を師匠と呼ぶことにしました。

成瀬のエピソードは沢山あるのでそれは本を読んで楽しんでもらうとして、成瀬の人生の最終目標は200歳まで生きること。かなりカッとんでると思いましたが理由を聞いてそうか。成瀬はやっぱり凄いなと思いました。なぜ人類は200歳まで生きられないのかというとそれは誰もそれを目指さないから。だれかが目指せば、目指す人が増えればいつかそうなるんじゃないか。と成瀬が悟った時、ハッとしました。最近読んだ本に決めつけることは良くない。既成概念にとらわれることが自分の成長を阻害すると学んだはずだったのに、200歳まで生きると宣言した少女のその一言にふっと鼻で笑う失態をしてしまったことを深く反省しました。そして私もひそかに120歳まで生きるという野望を抱いていますが、成瀬に比べるとやはり小さな人間だなとつくづく実感したのです。80年も負けた。目標がそれだと初めから成瀬に勝つことはできない。完敗だと・・・

この小説の舞台は滋賀県大津市で西武百貨店大津支店が出ています。その店が閉店になって東京大学のオープンキャンパスに来た時にわざわざ西武百貨店池袋本店に来た時には、あかりちゃんようこそ!と心から思ってしまいました。映画、翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~を観たときに東の埼玉、西の滋賀というくらい2つの県は似ていると私(埼玉県出身です)の中で滋賀県は姉妹都市のような立ち位置でしたが、そうか。西武百貨店というつながりも(これは当事務所のある池袋ですが)あるのか。ととても他人とは思えない親近感も感じたのです。非常に面白い小説でした。元気になること間違いなし。おすすめです。