消費税と診療報酬改定について

医療業のほとんどの収入である診療報酬には消費税は課税されません。ですが、薬や診療材料については、仕入れる時に消費税がかかります。つまり、医療法人から見て薬などは購入時に消費税を払っているのに、売却時には消費税をもらえないのです。ですから、医療法人は消費税が少し上がるだけで経営が圧迫します。2014年4月から消費税が5%から8%に上がりました。その分、医療法人の経営は圧迫されます。それについて厚生労働省は消費税分は診療報酬に上乗せしたということです。詳しくは以下をご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/140401.pdf

これについては、充分でないという指摘もありますが、その議論は置いておいて、10%になったとき、どうなるのでしょうか?

診療報酬の財源は限られています。これ以上、個人から徴収する健康保険料を増やすのは問題です。今、食料品をはじめ複数税率を使う案も新聞などに書かれていますが、これには専門家であるほど反対します。例えば食料品だけ8%のまま据え置くとした場合、どこまでを食料品とするのかということです。野菜をスーパーで買ったら8%だけど、レストランで野菜(サラダ)を食べたら10%、じゃ、お惣菜は?キャビアは?などと線引きが難しいのです。これは事務手数が煩雑になるだけでなく、様々なトラブルが考えられます。

診療報酬についてもそうです。今までは非課税でした。10%になるときそのまま非課税でいくと医療法人がつぶれる法人も現る。じゃあ、診療報酬を今回のようにあげるとすると、財源はどうなるのか?個人の保険料を上げるのか?医療法人が泣き寝入りか?非課税のまま、医療法人を救う措置が施されるのか?問題は山積みです。

消費税が8%に上がったばかりなのに、10%になる時にどうなるのかが気になって仕方がない今日この頃です。