分身


先に裏表紙を読んでしまったせいか数ページ読んだらなんとなく内容が分かってしまいました。ですから、こうなんじゃないか。という仮説の元にやっぱりな。と思いながら読み続けました。分身というタイトルだけあって主な登場人物は2人いるわけです。私の感想は遺伝より経験が優先すると感じた点です。この小説は5人の女性の生き様というか捉え方が描かれています。特に親世代の3人の感じ方は全然違います。自分の遺伝子は全くないが自分で産んだ子供に自分の子供と同様の愛情を注ぐ女性。自分が産んだのだが自分の遺伝子が入っていないと知って子供の顔さえ見るのが辛くなった女性。そして自分の遺伝子を勝手に使われ自分とそっくりな子供に対して気持ち悪いと嫌悪感を示す女性。そんな経験、実際にやってみないと分からないんだろうなと思います。自分がこの立場だったら、どうするんだろう。どう感じるんだろう。でも、それは経験しないときっと分からないと思う。。。考えさせられる小説でした。