企業評価

先日、企業買収する会社の方とお話しする機会がありました。私が専門職大学院に通っていた時(一昔前になります)は実践M&Aとか企業評価をする授業などを受けて、企業評価方法は全てDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)でした。税務では純資産価格方式(貸借対照表を一部時価に換算して評価する方法)や類似業種比準方式(上場株で類似の業種の株価を参考に調整して評価する方法)などがありますが、全くやり方が違ったのでビックリしたものです。その時に買収会社の方に今でも企業評価はDCF法ですか?と聞いたところそうですという回答をいただきました。割引率とかCAPMとか恣意性が関与できると思うのですが、その辺はどうですか?と聞いたところ、詳しくは証券会社がやるので分からないが、いくらで買いたいかというのが前提にあります。という回答でした。

だよなーと思いました。私もDCF法の課題をやるときはそうやって色々調整していました。その時思いました。だから税務ではDCF法を使わないんだと・・・DCF法は割引率がちょっと違ければ企業評価が何億単位で変わってきます。また、DCF法の基本は未来の財務状況を予想して作るのでそこにも恣意性が関与します。だから税務では使えないんだと思いました。恣意性関与しまくりでどうにでも評価できます。ですから税務では実際に存在する現在の財務諸表を基に評価するんだなと妙に納得してものです。税務でもDCF法で評価すべきであると言う税理士がたまにいますが、その方はほとんど大学院免除税理士です。大学院では企業評価はDCF法しかやりませんから・・・でもやった事あるなら尚更分かるはずです。DCF法は何とでもなると・・・そんなことを思った一日でした。