ザ・ベロシティ



この本は500ページ越えの大作なので、持ち歩く事が不便なため、まとまった時間が作れる時に読もうと思っていました。そして、冬休み課題図書としてようやく読むことができました。この本は2010.4.22のブログのザ・ゴールや2010.6.30のブログのザ・クリスタルボールのようなタイプの本です。製造業の複雑な仕事の仕組みを物語形式で書いています。今回の主人公はアラフォーの女性、子供2人育てながら夫に先立たれたシングルマザーが主人公なので、仕事もプライベートも大事にして頑張っている姿に感情移入しやすく、読みやすかったです。彼女の名前はエイミー。ハイTという会社のマーケティング営業部長です。ある時突然ハイTがウィナー社に買収されてしまいます。エイミーは暫定社長に任命され、試行錯誤しながらハイTの業績を良くしていくというお話です。

当初、リーン(無駄を省くことによって顧客へのバリューを高める方法)と、シックスシグマ(ばらつきを減らしエラーや欠陥をなくす方法)を組み合わせたリーン・シックスシグマを実行するもなかなか上手くいきません。局部的には良くなっていると思われても全体を見ると数字に表れてこないのです。それはTOC(制約理論)が無視されて実行されたからでした。TOCについては、2010.4.22のザ・ゴールのブログを参照して下さい。それに気が付き、TOCのボトルネックを常に意識した上でリーンとシックスシグマを組み合わせ、成功するというお話です。

この本は、まずザ・ゴールを読んでTOCを充分理解した上で読むと楽しんで読むことができます。また、分かりづらい会計系の本も主人公を女性にすることで女性が読んでも感情移入しやすく、仕事もプライベートも頑張る女性の応援ブックとなると思います。とてもお勧めの本です。ラストには仕事でも正規の社長となり、プライベートも喜ぶ出来事がありハッピーエンドな点も読み終わった時すっきり感が得られる本でした。