平成26年税制改正大綱

12月12日に平成26年の税制改正大綱が発表されました。

増税項目は、
1.ゴルフ会員権の損益通算の廃止です。
→これは何年も前から廃止されるんじゃないかと噂されていた項目ですが、何とか生き延びてきました。ゴルフ会員権の売却損は他の所得から控除することができました(損益通算)が、平成26年4月からできなくなります。
2.消費税簡易課税のみなし仕入れ率の改正
→みなし仕入れ率とは簡易課税を選択している事業者がその業種業態の種類により課税売上の90%~50%を消費税法上の仕入れとみなして、消費税の計算をする制度ですが、金融業・保険業については現在60%が50%に改正、不動産業については現在50%が40%に改正になります。率が下がるので減税と思いきや、これは控除できる仕入れの率が下がるので実質負担が増える=増税となります。
3.軽自動車税の増税
→こういう増税は個人的に心が痛みます。発泡酒の時も感じましたが、軽自動車税がここまで普及したのは安い税金と自動車会社の企業努力です。都内の人は車取得率は低いですが、地方ではまだ成人1人1台車を持つというのが普通だという地域もあります。逆に自動車税は軽減されることになります。
4.給与所得控除の見直し
→今年から給与収入が1500万円以上の人は給与所得控除額の上限が設定されその額が245万円とされました。それが平成28年から給与収入1200万円以上の給与食控除額が230万円が上限となり、平成29年から給与収入1000万円以上の給与所得控除額が220万円が上限となります。

減税項目は、
1.復興法人税の1年前倒し廃止
→東日本大震災の影響で新たに創設された税金で法人税については、法人税の10%が復興法人税として3年間課税されます。同じく復興所得税というのも創設されこちらは所得税の2.1%ですが何と平成25年1月から平成49年12月までの25年間の課税です。復興法人税は廃止されるのですが、復興所得税は廃止されません。
2.消費税軽減税率の導入
→10%導入時に食品などに軽減税率を適用するということでしたが、これは専門家からすると大層困難を要します。複数税率は経理の事務負担を増加させるだけではなく、線引きが難しいのです。食品と言ってもどこからどこまでが食品なのか。食材はOKだけど食堂はダメとか、じゃあ、お惣菜は?とか焼き鳥の焼く前の状態ならOKだけど火を通したらダメとか、加工品はどの程度の加工ならOKかとか・・・キリがありません。あまり複雑化させるのは良くないのです。内容はまだ決まっていないのでどうなることやら・・・
3.医療法人の納税猶予制度
→個人的に1番びっくりしたのはこの制度です。他の改正は10月頃から新聞などでも話題にされてきました。非上場株式の納税猶予制度ができた時、医療法人の出資は対象外とされ、医師会や厚生労働省が5年以上、医療法人の出資についても納税猶予を認めてくれと要望し続けていました。ところが全く無視され続けてきた法案がいきなり出てきたからです。政権が変わるとこんなにもあっさり通ってしまうのかとびっくりしました。ただ、3年以内に厚生労働省の認定を受けた医療法人(認定医療法人)がその対象となることからこの要件について今後の発表を待つ必要があります。
4.NISAの口座変更可能
→NISAは平成26年1月から始まる制度ですが、1人1口座で1度どこかの金融機関でその口座を作ったら5年間変更できませんでした。それが手続きは必要だけれど変更できるということになりました。