入院して分かったこと その2

救急車で運ばれた病院で、医師の診断を受けました。吐血しているので原因を調べた方がいいが、今消化器内科の医師がいなく明日来るので、1泊入院してその間、絶食し胃や腸に何も入っていない状態にして内視鏡検査をすれば吐血の原因も分かるし、嘔吐と下痢も完全に治せると言われたのです。私は承知して入院することにしました。

意識朦朧としていた容態も点滴を1本したら、完全復活で元気になりました。やはり脱水症状だったのですね。ただ、元気なのにご飯が食べれないのが辛かったです。この食欲はもはや病人ではなく、お腹がすきすぎてぐったりする感じ。点滴していると体が自由がきかないのでやっと1本終わったと思うとまた、すぐに1本追加されます。食事ができないので点滴がご飯で入院中は点滴が外されることはなく、全部で4本の点滴をされました。

入院して感じたことは、入院なんてするもんじゃないと思ったこと。まず、ベッドが小学校の体操マット位硬くて、ここで1週間入院してたら床ずれするなと思いました。そして、差額ベッド代8,000円が生じる3人部屋でしたが、同室のおばあちゃんが夜中いびきがひどく、もう一人の同室の女性は寝るときクーラーが付いているのが嫌らしく、クーラーを止めます。暑さと煩さとひもじさで全く寝れない夜でした。

何室か先の部屋ではおじいちゃんが頻繁に看護師を呼び、時には悪態をつき同室の男性と喧嘩をしています。壁紙は剥がれ全体的に暗く汚い感じ・・・入りたかったシャワーも入る気分にならず配られたおしぼりタオルで対応。退院したい。心からそう思いました。

翌朝になり朝食も私だけには配られず、ますますひもじさは増すばかり・・・何が不安だったかというと、今日一日がどのように過ごすことになるのかといった説明が一切なかったということ。入院ビギナーの私はそこが一番不安でした。おそらく働いている人や長期入院している患者さんは当たり前の日常でも入院初体験の私には非日常です。今日一日がどうなっているのか。当たり前のように配られたおしぼり4本も1本だけ色が違ったりして、何故?何故?ということばかり・・・元気になってしまった分いろいろ気になります。

あまりにも不安になったので、いつ、検査してもらえるのか聞きにいくと、早くて今日の17時過ぎということ。昨日の夜みたいな夜は二度と過ごしたくなかったので、是非今日検査して下さいと懇願し、17時過ぎに初胃カメラに挑戦。吐血の原因は吐きすぎによる胃の粘膜が荒れたことによる出血で問題なし。潰瘍もなく綺麗な胃ですねと言われました。(えっ?ストレスがないって事??)そして無事退院しました。

1泊2日で多くの貴重な体験をしました。看護師さんの仕事は思っていた以上に激務です。患者の中には無茶な要望をいう患者も何人かいます。隣のおばあちゃんは熱中症で倒れて病院に運ばれたようですが、助けてくれた隣の家の人の電話番号を調べてほしいと頼んだりしています。

この病院は初めに対応してくれた医師も、入院の際関わった何人かの看護師も、検査をしてくれた医師も素晴らしかったです。とにかく6病院位に受診拒否された私を受け入れてくれただけでも感謝です。ただ、ハード面がひどかった。そして内部プロセス(一日の予定や説明などの)もひどかった。この病院は救急指定病院になっているので、私が入院した際にも6人くらい救急車で運ばれていました。おそらく忙しすぎてそこまで気が回らないというのが事実だと思います。あまり、居心地が良すぎるのもベッド回転率が下がるので問題かもしれませんが・・・

入院して思ったことは、朝起きたら今日一日の流れがどうなるのか。紙ベースでもいいから説明してほしいと思ったこと。そうめんを食してから30時間絶食しましたが、その辛さは半端ではないこと。劣悪な環境は心まで萎えさせてしまうこと。本当に貴重な体験をしました。やはり、世の中やってみないと本当の意味で分からないことだらけです。

退院時にはすっかり治っていたので、薬もなしで無事退院しました。心配させてごめんなさい。