プラチナデータ

東野圭吾氏の小説を映画化したものです。東野氏の小説を映画化したものは殆ど観ています。映画化しても楽しめる内容になっているのが特徴です。私の感想はちょっとだけネタばれしていますので、映画を観てから読んで下さい。

主人公神楽龍平は警察庁の科学捜査機関に所属する天才科学者で、わずかな証拠から最先端のDNA捜査を行って犯人を特定します。国民のDNAを違法なやり方(例えば献血であったり、学校の検診であったり)で採取して全国民のDNAを採取できれば、検挙率100%冤罪率0%の社会が作れるとDNA法案を通そうと秘密裏に動いています。ところが、DNA捜査システムが導きたした犯人に自分が指定されます。身に覚えのない殺人の犯人にされそうになった主人公は逃亡し、真実を突き止めようとします

ここまでは予告などで公開されている内容ですね。この映画には3つの謎が隠されています。1つ目は、神楽龍平は実は二重人格者で自分と別人格のリュウが殺人をしたのか?という謎。2つ目は、主人公も知らないプラチナデータの秘密があり敢えて欠陥品にしたということ。何故?という謎。3つ目は、蓼科兄弟(プラチナデータを開発した兄妹)が殺される前に開発していたモーグルとは?蓼科兄弟が残したメッセージ「罪滅ぼし」には何の意味がある?

龍平は蓼科兄弟を殺していなかった。でも現場にDNAが残されていた理由。プラチナデータによって困る社会的地位のある人たちの陰謀。蓼科兄弟が言っていた罪滅ぼしの意味など映画で明らかになります。沢山の謎があるので観ていて飽きません。

映画の始めの方にDNAは全てを決める。性格や思考でさえもみたいなことを言います。私は確かにDNAで決まるものもあるけど、それ以上に慣習や想いみたいなもので決まることの方がむしろ多いよ!と心の中で反論しましたが、映画の最後の方でそう言った主人公が自らの過ち(DNAが全てを決めるのではない)を認める発言をしたのが印象的でした。