シロクマのリバウンド効果(皮肉なリバウンド効果)

今日は前回のブログでお話しした「スタンフォードの自分を変える教室」の中から、興味深い実験「シロクマのリバウンド効果」についてお話します。

みなさんは一日に何度シロクマの事を考えるでしょうか?考えることもあるけれど、ほとんど考えないという人が大多数だと思います。

ダニエル・ウェグナーという心理学の教授が行ったある実験で被験者に「これから5分間、シロクマのことを考えないでようにしてください」と指示します。他の事は何を考えてもいいけどシロクマの事だけは考えてはいけないという指示が出たのです。ところが考えてはいけないと思えば思うほど、シロクマのことばかり浮かんできてしまうという結果が出ました。

このことは、不安や憂鬱、ダイエット、依存症に関する最新の研究でも明らかになっていて、頭の中で考えるやらない力は全く効果を発揮しないということです。何かを考えないようにしようとすると、逆に強く意識してしまう。これを皮肉なリバウンド効果といいます。

ウェグナーは皮肉なリバウンド効果には皮肉な解毒剤を提案しています。それはあきらめることで、そのような感情をコントロールするのをあきらめるのです。そのためには思考を抑えつけず、行動だけ自制することが重要らしいです。そして禁止する(やらない力)のではなく、実行する(やる力)に変える。ダイエット中の人に太りそうな食べ物を禁止しても、だいたい16日で元の体重に戻るそうです。それより、何を食べるべきかに注目したほうが効果が出るということでした。

本当に心の平安を望み、自己コントロールを向上させたいなら、頭に浮かんでくる考えをコントロールすることは不可能だという事実を受け入れ、自分が何を信じ、何に従って行動するかを選択することが重要だということです。