遺体 明日への10日間

先週末は仕事にやる気満々で空けていたのに、資料が届かずできませんでした。したがって映画を観に行きました。この映画は東日本大震災を題材にした映画で3月11日でちょうど2年経ったところです。

舞台は岩手県釜石市で廃校になった中学校の体育館が遺体安置所になり、そこに津波の被害にあった人々の遺体が次々と運ばれています。この映画の感想を書くなど烏滸がましくてできませんが、私が知らない世界がいっぱい詰まっていました。

そこで働く人たちは悲しんでいる暇もないくらい忙しく、色々な人たちの気持ちも気遣いながら頑張っていました。私は身内やごく親しい人を亡くした経験がないので遺体というものをあまり知りませんでした。

助けを求めるような手をしたまま亡くなると死後硬直でそのままになります。それを無理やり直すと骨折します。そのような場合、優しく声掛けしながら、筋肉をほぐしてやるようにマッサージすると折らずにもとに戻すことができます。また死後何日か経つと顔の色が黒ずんできます。特に目の周りは紫色に変色します。きれいな顔でお棺に入れたいと思ったときお化粧をするのですが、遺体にはファンデーションがのりません。そのようなときはまず、クリームを塗ってからファンデーションを塗るそうです。行方不明になった人を探しに遺体安置所には沢山の人が訪れます。遺体は地元の医師や歯科医師が検死します。身元が判明しない場合も多く、例えば独居老人や家族丸ごと亡くなってしまった場合などです。いつまでもそのままにしておけないので、DNA鑑定と歯型鑑定を残して火葬場に向かいます。遺骨は地元の住職が預かり、あとで身内らしき人が現れたときにはDNA鑑定と歯型鑑定で照合して引き渡すそうです。

全部知らないことばかりでした。途中、住職が遺体安置所にお経を唱えにくるのですが、そのお経の声に何とも救われた気持ちになったのは私だけではないと思います。

東日本大震災での死者・行方不明者は19,009人 日本人として忘れてはならない。後世に残すべき映画でした。この映画を見ると、私たちは生かされているのだということが実感できます。