民法改正(配偶者居住権)

配偶者に対する民法が40年ぶりに改正されます。現在においては様々な家族の在り方があって1人の人が何回か結婚することも増えてきました。そこで、相続財産が家などしかないと、後妻が住んでいるにもかかわらず、前妻の子供である相続人が家を処分して法定相続分通りに遺産を相続したいなどと言い出したりします。そうなると後妻は住んでいる家を出ていかなくてはならないといったトラブルが発生してしまいます。そこで今回、「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」が新設されます。

まず、配偶者短期居住権は、遺産分割が終了するまでの期間(相続開始の日から6カ月を経過する日と居住建物の所得者が確定した日のいずれか遅い日まで)、配偶者はそのまま無償で居住建物に住むことができる権利です。この権利は相続開始があった場合もれなく発生する権利となります。

もう一つは、配偶者居住権です。こちらは長期の居住権で居住建物を終身無償で使用・収益できる権利となります。こちらは次のいずれかの要件に該当する場合に取得することができます。①遺産分割において、配偶者が配偶者居住権を取得したとき。②配偶者に、配偶者居住権が遺贈されたとき。③被相続人と配偶者間に、配偶者居住権を取得させる死因贈与契約があるとき。
配偶者居住権は登記することができるので赤の他人の第三者にも対抗できます。配偶者居住権は配偶者短期居住権と違い財産的価値に相当する価額が相続税の評価対象となります。②と③の違いを聞かれますが、②は遺贈なので遺言書により記載されます。ですから配偶者の意思は関係ありませんが、③は死んだらあげるよという夫と妻の契約なので、あげる側ももらう側も同意の上成り立ちます。

かがみの孤城

ゴールデンウィークに読み終えました。2017年本屋大賞受賞作品です。私は本屋大賞には一目置いています。直木賞や芥川賞のように読んで落ち込んだり考え込んだりする本がないからです。様々な理由で同じ中学校に行けなくなった子供たち(いわゆる引籠りの子もいます)7人が自宅の鏡に引き込まれお城にやってきます。そこには自分の個室がありそれぞれが自由な空間。通常なら学校に行っている日本時間の朝9時から夕方5時までこの不思議な城に入れます。来年の3月までに願いの部屋に入る鍵を探して願いを1つ、1人だけ叶えることができるという特権があります。願いが叶った時点でこのお城は閉鎖されますが、鍵が見つからなくても来年の3月30日に閉鎖されます。

本を読み進めているとあれ?これいつの時代の話?とか時間の感覚とかあれ?と思うことも描かれています。でも当初の設定が設定なので気にせず読み進めていると最後の章でビックリするような展開になります。そうか。あの不思議な感覚はそういうことだったのか・・・そんなことならもっと注意深く読めば良かったと後悔します。そんな本です。終わり方も現実の世界での次の展開が想像できるような良い終わり方です。不登校になる理由は人それぞれ、それを理解している大人ってあまりいません。唯一ズバリ理解していたあの人が実は〇〇さんだった。知り合う前から知り合いだったという温かい気持ちで読み終えます。流石本屋大賞!という作品です。

事業承継税制1

平成30年税制改正の大きな目玉は何といっても「事業承継税制」です。今日本の中小企業の経営者は、高齢化が進み何らかの形で自分の会社を誰かに引き継ぎたいと考えていますが、子供の問題だったり税制の問題だったりしてうまく引き継ぎができなくなっています。2017年に団塊の世代が70歳代になったことにより「2017年問題」として話題になりました。中小企業のほとんどが70歳過ぎても社長を続けていて、20年前には経営者年齢の山は47歳でしたが、今は66歳になっています。2020年までに新たに70歳に達する経営者は約31万人います。最大の問題は後継者不在です。50歳代で後継者が決まっていないのは約75%ですが、60歳代でも54%、70代でも44%、80歳以上でも3分の1が後継者不在になっています。このままでは日本の多くの中小企業が潰れます。会社が無くなるということは税収も少なくなり雇用もなくなりGNPも減少します。これは国家のためにも国民のためにも大惨事なのです。

そこで今回、事業承継税制の抜本的改革が行われました。昨年10月に医療法人の事業承継税制である認定医療法人制度もびっくりするくらい画期的でしたたが、中小企業を対象にした今回の事業承継税制はそれ以上に画期的で大盤振る舞いの制度です。自社株を後継者に譲る場合通常何らかの税金がかかってきますが、事業が上手く引き継げて雇用を維持してくれたら無税にするよ!(実際には要件を満たしてくれたら無税にするので納税猶予といいます)という制度です。これは期限が決まっていて平成30年4月1日から平成35年3月31日までに事業承継計画を都道府県知事に提出して認定を受ける必要があります。今までも事業承継税制はありましたが、全株式対象ではなく総株式数の3分の2までで税金の猶予はその80%でした。ですから100%全て経営者が持っていたとしても100%×2/3×80%の53.3%しか納税猶予されなかったのが100%納税猶予となります。また後継者は1人でしたが今回の改正で最大3人の後継者が選べるようになりました。雇用確保維持要件などもゆるくなりかなり使いやすくなりました。中小企業の経営者様には是非活用していただきたい税制です。次回の税務のカテゴリーで内容を詳しく説明します。

レディ・プレイヤー1

メガゴジラVSガンダムこんな映画観たことない!という触れ込みで宣伝しているレディ・プレイヤー1ですが、これがスティーブン・スピルバーグ監督の映画でなければ、私はきっと観ていなかったと思います。あの世界のスピルバーグがこんな映画を??とちょっとビックリしながら観に行きました。

観てみて感想は、私が想像していたものと全く違うものでした。私はCG技術を駆使した現実離れしたSF映画は最近お腹いっぱいであまり感動しなくなってしまいました。ところがこの映画は全くの空想映画ではなく、ゲームにハマっていく人々を風刺した映画でもあるし、そういった意味で社会問題を取り扱った映画でもあります。レディ・プレイヤー1の舞台は2045年、2045年にはおよその純粋機械化経済の形を作り上げほとんどの仕事が無くなっていると予言している第4次産業革命が完成する時代です(→このことに関しては、2018年1月10日のブログ「人口知能と経済の未来」を参考にして下さい)実はそうなってクーポン型市場社会主義になった時、人々は何をしているのだろう?仕事をしないで暮らしていけたら人々はどう未来を過ごすのだろう?と思っていました。それを想像させる映画でした。また、この映画のように実際なるのではないか?と感じた映画でもあります。

人々は進化したゲームの世界にのめり込んでいきます。ゲームの世界ではどんな自分にもなれます。好みの容姿、好みの生き方、好きなように生きれます。自分の分身が仮想の世界で生活し、他の人に出会ったり戦闘ゲームの中で戦って賞金稼ぎをしたりしています。ゲームの中で死んでも現実は死にませんがゲームの中でのファイトマネーが0円になります。そんな世界にのめり込み、自分を強くするために武器を課金で買ったりしてお金が払えなくなったりした人は、現実の世界においてゲーム会社で強制労働させられたりします。よく考えると未来において有り得るんじゃないか?と思いました。その他にも古き良き時代の映画やアイテムが多数出てきたり、現実(リアル)が一番大事だと気付かせてくれたり、本当に多くのメッセージがこの映画には隠されています。流石世界のスピルバーグ!と言わせる映画でした。

行動経済学入門

この本は2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラ-教授の本です。経済学とは本来は最も合理的で利潤が最大値になる方法を選択するものですが、現実は違います。何故でしょう?それは心理学と密接に関係があってそれが行動として現れます。それがよく分かる本です。例えば1つの物を自分が持っていてそれを第三者に売る場合の希望売却値段と、同じものを第3者から買う場合の希望購入値段では、同じ人が査定しても2倍以上の価格差になるそうです。(売る希望の方が買う希望よりおおよそ2倍高くなる)それは一度手にしたものは愛着が生まれ手放すのに勇気が入り価格差が出るそうです。そういえばオークションサイトなどでなんでこれがこんな高いの?と思うものって結構ありますね。

そんな身近な話から始まって株価の変動方式、ロトシックスなどの当選倍率が上がる方法など様々なことが書かれています。途中難しい算式まで現れとても専門的な分野にまで及びます。さすがノーベル経済学賞を受賞した教授だという感じ、一度読んでみると経済学は心理学(行動)と密接につながりがあることが分かります。そういえば、明治大学MBAでマーケティングの教授も、関係性マーケティングの事をおっしゃっていました。やはり人間は感情の動物。関係性を築きたいかどうかで行動も違ってきます。経済学もマーケティングもそういう意味では心理学(行動)が大きく関わってくるのですね。

メモ機能アプリ

皆さまはちょっと何かをメモしたい時、何を使っていますか?私は携帯電話のメモアプリに無造作に書きたいことを書き込んでいました。ところが最近良いアプリを発見しましたので、お伝えします。それは「google keep」です。google mapをはじめGoogleが持つ機能には着目しているのですが、このgoogle keepも優秀です。携帯電話にもともと入っているメモアプリはただ、ひたすらメモをするだけですが、google keepは文字だけではなく、音声だったり画像なども残すことができます。

作成したメモは背景色を変えたり、ラベルを付けたり、チェックリストを付けたりすることもでき、また後から、検索できるような機能もついています。そして本屋で〇〇の本を買うというメモにリマインダー設定すれば本屋に着いた時に通知してくれます。ほかにも自分以外の人と共有できたりピン止め機能などもついています。音声をテキスト変換して保存する音声機能もついています。おすすめです。

メモに色を付ける時自分なりのルールで色を決めれば見つける時も楽です。しかも無料アプリです。最近はこのような高機能アプリも無料で使えるようになってきています。そうすると知っているか知らないかで生活の便利さが変わってきますね。効率性ばかりの生活はギスギスして好みませんが、仕事などは効率性が重視されたりします。是非一度お試しください。

保険金受取人の資格

死亡保険金って受取人を指定しますよね。その受取人が本人より先に亡くなっていた場合は、通常、本人が受取人変更の手続きをします。それをせずに本人が亡くなってしまった場合、だれが受取人になるのでしょうか?通常の保険ですと、受取人の相続人が受取人になるようです。(→プルデンシャル生命及び大同生命確認済)被相続人(本人)の相続人ではなく、受取人の相続人ですよ。ただし受取分は法定相続分ではなく頭数で案分です。

ところが先日、簡易生命保険でこのような事例があった時、簡易生命保険に受取人の相続人が手続きしようとしたら簡易生命保険ではそのような場合は受取人不存在となり、遺族制度というのが規定されていました。ですから簡易生命保険契約やかんぽ生命では約款によって遺族制度を規定し、受取人の優先順序が決まっていました。それによるとこんな感じ→簡易生命保険 遺族制度

これ相続の優先順序とは違いますね。かんぽ生命と簡易生命保険制度の独自の制度です。でもこれは画期的な規定ですね。今は色々な生活形態がありますから、例えば一生独身で親もいないという人も多いです。その場合恋人なども受取人として指定できます。でも受取人である恋人が先に亡くなっていたらその恋人の相続人に保険金がいくというのも妙な話ですね。それらのトラブルを避けるためにかんぽ生命および簡易生命保険では遺族制度というのを作ったのですね。勉強になりました。

電子申告

2016年の電子申告の割合は所得税53.5%、法人税79.3%、消費税(個人は63.2%、法人は77.3%)でした。電子申告が始まったばかりの頃は税理士も積極的に電子申告を行わず、なかなか普及しなかったのですが、紙申告だとマイナンバーのコピーも一緒に提出しなくれはならないなど、不都合が生じたため税理士業界でも急速に電子申告が広まりました。

平成32年(2020年)4月1日以後開始事業年度から、資本金が1億円を超える法人については電子申告が義務化されます。また、平成32年から所得税についても青色申告特別控除が電子申告をすればこれまでの65万円をつかえますが、電子申告をしないと65万円ではなく55万円しか控除できなくなります。

当初は電子申告をすればお礼をするよなどの税額控除などがありましたが最近は電子申告をしないと不利になるよという作戦に切り替えた頃から電子申告の普及が早まったような気がします。現在相続税は相続人が複数存在したり、提出枚数や添付書類が多いことから電子申告でなく紙申告ですが、そのうち相続税も電子申告になるのでしょうね。2019年1月からはコンビニ納付について、自宅等において納付に必要な情報をQRコードとして出力することが可能になります。税務は電子化の波が押し寄せています。
参考資料→電子申告

副業と通勤災害

最近上場企業などでも副業を解禁しています。ロート製薬は平成28年3月から、ソフトバンクは平成29年11月からです。最近ですと平成30年4月からユニ・チャームと金融機関では初めての新生銀行でも解禁になりました。

労災ってご存知ですよね。業務時や通勤時にケガなどをした場合に保障されるものです。では本業A社で働いた後、副業B社に向かう途中で災害に遭った場合、通勤災害になるのでしょうか?またなる場合、A社の労災が使えるのでしょうか?それともB社の労災でしょうか?

2つの会社で働く労働者がA社からB社へ向かう途中に災害に遭った場合、B社の通勤災害となりB社の労災保険を使用して保険給付をうけることができます。

詳しくはこちら→副業ガイドライン

オンライン診療が保険の対象になります

遠隔医療はこれまでは自費で行われ保険は適用されませんでしたが、平成30年度診療報酬改定で保険対象となりました。ただ、初めからオンラインではなく、初診は対面診療が必要です。医療法20条に無診療治療の禁止が謳われていますが、最低限遵守すべき事項を遵守していればオンライン診療は医療法違反になりません。

生活習慣病等の慢性疾患の定期的な診療は毎月1回診療を受け「何か変わったことはありませんか?特に何もないようなら同じ薬1カ月出しておきますね」の様に1か月分の薬を受け取るのがオーソドックスな診療方法ですが、このような診療は医師及び患者の利便性の向上を図ることから今後はオンライン診療に代替することが望ましいとされています。

オンライン診療はリアルタイムでのコミュニケーションが可能な例えばビデオ通話などの方法で行うことを必要としていますので医療法人側もそれに備えて情報通信機器の整備などをしなければなりません。これらの設備の導入はIT導入補助金の対象となりますので早速検討してみて下さい

詳しい資料はこちらから→オンライン診療の適切な実施に関する指針