令和5年度(第73回)税理士試験から、受験資格が大きく見直されました。最も大きな変更点は、簿記論と財務諸表論の受験資格が撤廃され、年齢や学歴、職歴を問わず誰でも受験できるようになったことです。これにより、高校生や大学生、異業種で働く社会人など、これまで税理士試験を受験できなかった人にも門戸が開かれました。また、税法科目の受験資格についても緩和が行われました。従来は大学等で法律学または経済学を履修していることが求められていましたが、現在は「社会科学に属する科目」を履修していれば受験資格を満たすことができます。これにより、法学部や経済学部以外の出身者でも受験しやすくなりました。
この改正の背景には、税理士業界の人材不足や受験者数の減少があります。資格取得へのハードルを下げることで、若い世代や他業種からの挑戦を促し、将来の税務専門家を育成する狙いがあります。もっとも、受験資格が緩和されたからといって試験が簡単になったわけではありません。税理士試験は依然として難関国家試験であり、合格には高度な専門知識と継続的な学習が必要です。
私は以前から税理士試験の内容をどうすれば良いかというアンケートでは受験資格を撤廃すべきと言っていました。「挑戦する権利」が広がった意義は大きいと言えると思います。会計や税務に興味を持つ人が早い段階から学習を始められるようになったことは、業界全体にとっても歓迎すべき変化ではないでしょうか。