不服申立てと税務訴訟

個人事業の方も法人化された方も税務調査の経験がある人は多いと思います。納税者の申告書と税務署との間で間違いや見解の相違が見つかったらどうなるでしょう?

納税者が納得して、申告書を修正する場合は修正申告書というものを提出します。では、その逆だった場合、つまり税務署の言い分に納得できない場合はどうなるでしょう?

①まず、税務署長に対して異議申立てをします。通常、納税者がごねた場合などは、あらかじめ税務署長と税務調査官が事前相談しているので、異議申立てが通るのは稀でしょう。

②次に、国税不服審判所長に対して審査請求を行います。審査請求を行って納税者の主張が一部でも認められたのは平成23年度で13.6%です。異議申立てより外部機関である審査請求の方が割合が高くなっています。

③それでも駄目なら、司法上の救済制度として税務訴訟があります。税務訴訟の場合、通常弁護士が弁護人として、税理士が補佐人として訴訟に臨みます。平成23年度ですと、13.4%が納税者の主張が通っています。

非居住者から土地を譲受けた場合の注意点

居住者は簡単に言えば日本に住所がある人、非居住者は日本に住所がない人です。ただ、厳密にはもう少し丁寧な判定が必要なので詳しくは http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2875.htmを参照下さい。

数年前、中国人を中心に日本の土地が多く買われました。震災後日本の土地を手放す非居住者も多いと言います。非居住者から居住者が土地を購入する場合の注意点は、購入価額の10%を源泉徴収して納付しなければならないという点です。

売買価額が1,000万円であった場合、900万円は非居住者に支払い、残りの100万円は税務署に納付しなくてはいけないのです。

では、引き渡しを受けた日は非居住者で代金を支払った日が居住者であった場合どちらが優先されるのでしょう。それは、土地の引き渡しがあった日というのが所得税法基本通達で定まっています。




仙台の七夕まつりに行きました。この浴衣は中学生の時からの親友が大昔に手縫いで仕上げてくれた浴衣です。帯は今年買いました。浴衣は昔のものでも着れますね。

相続税の申告実績

平成22年分の相続税の申告実績が国税庁ほホームページで明らかにされました。http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2011/sozoku_shinkoku/index.htm

平成22年に亡くなった方は約120万人で、このうち相続税の対象となったのは全体の4.2%の約5万人です。この数値は平成16年位から横ばいとなっています。

現在、相続税の基礎控除(この金額を超えると相続税がかかる)は、5,000万円+1,000万円×法定相続人の数です。例えば法定相続人が、妻と子供3人の場合ですと、5,000万円+1,000万円×4=9,000万円
つまり9,000万円までの財産しか持っていないのなら相続税がかかりません。

この相続税の基礎控除を3,000万円+600万円×法定相続人の数に見直す案が国会に提出されています。そうしますと、妻と子供3人の場合、財産が5,400万円を超えると相続税がかかってくることになります。




憧れだった有松絞りの浴衣です。最高の着心地です。肌がふわっと優しく包み込まれる感じ・・・ピンクの浴衣も茶系の重厚な帯で合わせれば似合いますね。

所得税の予定納税

今年の確定申告書を提出した人で、予定納税基準額(分離課税・譲渡・一時・雑所得分を除いた納付すべき税額)が15万円以上となる場合には、その金額の1/3(特別農業所得者は1/2)を第1期(7月)と第2期(11月)に分けて納税しなくてはなりません。これが予定納税制度です。

これは翌年の3月の確定申告時期に一度に納税額の支払いが発生すると負担が重くなることなどを考慮して所得税の前払いとして前期の1/3ずつを2回に渡って先払いする制度です。

前年と所得が同等の場合7月と11月と翌年3月に大体1/3ずつ支払うことになりますが、廃業した場合など、明らかに所得が減少すると分かるときは、「予定納税額の減額申請」をすることにより、予定納税額を減らすことができます。

詳しい申請手続きは下記を参照して下さい。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/02.htm

認定NPO法人制度

NPO法人(特定非営利活動法人)は聞いたことがあるのではないでしょうか。NPO法人はNPO法に基づき、都道府県や政令指定都市の認証を受けて法人格を取得した法人です。現在数は4万を超えています。

それでは認定NPO法人とは何でしょう?2001年に制定された法人でNPO法人より社会信頼度が高く、税制優遇を受けたNPO法人がバージョンアップした法人が認定NPO法人です。NPO法人に寄付しても税務上寄付金控除にならないことが多いですが、認定NPO法人に寄付すると寄付した側が税額控除を受けることができるので、寄付金が受けやすくなります。

認定NPO法人になるための要件は次の8つです。
①パブリックサポートテスト(PST)をクリアしていること。
②活動のメインが共益的な活動でないこと。
③組織運営等が適正であること。
④事業活動について一定の要件を満たしていること。
⑤情報公開が適正であること。
⑥事業報告書等を所轄庁に提出していること。
⑦法令違反等がないこと。
⑧設立から1年を超えていること。

認定NPO法人についてはこちらから
https://www.npo-homepage.go.jp/support/nintei.html

法人税率の引下げ改正

平成24年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率が改正されます。表を見るとおわかりのように全体的に3%から4.5%低くなります。ただ、税率の引き下げと同時に復興財源確保のための復興法人特別税が10%課税されます。

100万円の所得ですと、普通法人の場合で改正前は100万円×30%=300,000円が税金でした。
改正後は、100万円×25.5%=255,000円
255,000円+(255,000円×10%)=280,500円となります。


東日本大震災義援金(確定申告書の記載の仕方)

確定申告期限もあと10日となりました。昨年は震災に伴い、日本赤十字社などに寄付をした方も多いのではないでしょうか?震災関連寄付金については所得税および住民税で所得控除や税額控除が認められています。確定申告をしないとこれらの控除は受けられませんので今回はそれに絞ってお話します。

東日本大震災義援金として日本赤十字社に50,000円寄付した場合で考えます。

まず、1.確定申告書第二表の⑯寄付金控除の欄の寄付金の名称に「日本赤十字社」と記入し、震災関連寄付金の欄に「50,000」と記入します。

2.第一表の⑯の区分に「1」と記入し、2,000円を控除した「48,000」と記入します。ここまでが所得税、つぎは住民税です。

3.確定申告書の第二表の下の方に住民税・事業税に関する事項という欄があります。その寄付金税額控除には「都道府県、市区町村分」「住所地の共同募金会、日赤支部分」「条例指定分」に区分してあります。東日本大震災義援金として日本赤十字社に寄付したものは、「都道府県、市区町村分」に「50,000」と記載します。

寄付金に関しては上記の3か所に必ず記載するようにして下さい。


海外資産がある所得税

先日、ゼミの仲間から「海外に転勤になったけれど、国内に不動産がある。これを貸したら税金がかかるの?」と質問されました。そこで、今回は海外資産を有していたり、海外に住んでいるけど国内に資産があったりする人のために、そもそも課税されるのか?ということを観点にお話しします。

まず、納税義務者は3つのカテゴリーに分類されます。
①居住者(非永住者以外の居住者)と②居住者(非永住者)と③非居住者です。
まず、居住者ですが、国内に住所があるか1年以上居所がある個人となります。居住者はさらに①と②に分かれますが、②の非永住者は日本国籍がなく、過去10年以内に国内に住所又は居所があった期間が合計5年以下である人をいいます。①は②以外の居住者です。非居住者とは居住者以外の個人をいうので、「国内に住所があるか1年以上居所がある個人以外の人」ということになります。

課税の範囲ですが、①の居住者(非永住者以外の居住者)は全ての所得です。これは、国内源泉所得だけではなく、国外源泉所得も課税対象となることがポイントです。②の居住者(非永住者)は国内源泉所得と国内払いの国外源泉所得が課税対象となります。従って国外払いの国外源泉所得は課税の対象とされません。③の非永住者については、国内源泉所得のみが課税の対象となります。詳しくは国税庁のホームページ↓を参照下さい。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2010.htm

海外で所得が発生する場合(海外投資も含みます)は、その国と日本が租税条約を結んでいるか否かが重要になります。これは所得税法より優先されるもので、日本で租税条約を結んでいるのは平成23年11月17日現在64カ国の国と締結されています。
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2011/joho_kokan/01.pdf
従って国ごとにその内容を調べる必要があります。

平成24年度の税制改正大綱案で海外財産を5,000万円以上有する居住者は国外財産調書を提出することを義務付ける改正案があります。適用時期は平成26年1月1日以後ですが、提出しないと罰則規定等もあるので注意が必要です。

くるみん取得による割増償却

謹賀新年

昨年中は大変お世話になりました。このブログを始めて1年10カ月が経ちました。始めの頃は1日10件位しかアクセスがありませんでしたが、今では5倍位のアクセスになりました。毎月7カテゴリーを1つずつ書くようにしています。忙しい月も読んで下さる人がいるから書くことが出来ています。今年も1カ月で7件書くつもりです。宜しくお願いいたします。



くるみんマークをご存じだろうか?くるみんマークは子育てサポート企業として厚生労働省から認定を受けた企業に与えられる認定マークの事です。
実際のマークはこちらをご覧ください。↓
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/

この認定を受けることになった企業が平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まる事業年度に、くるみん認定を受けた青色申告の事業者については、認定を受ける対象となった行動計画の計算期間開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了の日までに、建物や付属設備を取得・新築・増改築をしたときは、その建物・付属設備の減価償却費は普通償却限度額に加え32%の割増償却ができることになりました。

通勤手当の改正

電車や車で通勤している人は通勤手当というのを支給されている場合が多いと思います。
電車であれば実額(定期券等の金額で最高10万円までが非課税、それを超えると課税です)、車や自転車で通勤している人は、通勤経路に沿った自宅から勤務地までの片道の距離に応じて非課税枠が決められています。
その金額は次のとおり
2㎞未満・・・0円
2㎞以上10㎞未満・・・4,100円
10㎞以上15㎞未満・・・6,500円
15㎞以上25㎞未満・・・11,300円
25㎞以上35㎞未満・・・16,100円
35㎞以上45㎞未満・・・20,900円
45㎞以上・・・24,500 円
なお、15㎞以上で運賃相当額がその金額を超えるときは、その運賃相当額になりますが、上限は10万円となります。

車で通勤している人は上記の金額と通勤定期券の金額と比較して有利な方を採用できる特例が平成24年1月1日以後に支給される通勤手当から廃止となります。

例えばAさんは健康も兼ねて自宅から勤務地までの16㎞を毎日自転車で通っていました。通勤定期券だと15,000円です。今までは通勤手当を15,000円貰っていたとしても全額非課税(所得税法上課税の対象とされない)でしたが、来年以降も15,000円貰ったら、15,000円-11,300円=3,700円については、給与の一部とみなして課税対象となります。お気を付け下さい。ただ、私の周りの状況を見ていますと最近では実額運賃までしか支払わないという法人が多いような気がします。