TOC(制約条件の理論)

TOCとはTheory Of Constraintsの略で、日本語では「制約条件の理論」のことです。このことは過去のブログ(カテゴリー:本→ザ・ゴールやザ・クリスタルボール)でもお話しました。企業の目的はお金を儲けることであって、その実現のためにすべきことは次の3つです。

①スループット(売上高から資材費などを差し引いた直接利益)を増大させる。
②総投資額(在庫や投資)を低減する。
③資材費以外の総経費(固定費)を下げる。

このなかで一番重要なのは、スループットの増大です。②と③は理論的限界があるからです。もっとも重要であるスループットの増大を妨げているのが、制約条件です。制約条件は市場が制約条件となる場合(商品の競争力が弱いために市場で商品が売れない)や企業内に制約条件がある場合(消費者に受ける商品を開発しても顧客が購入したい時に用意できない)があります。制約条件の理論は大きく2つの手法があり、一つは「生産改善の手法」でもう一つは「思考プロセス」の手法です。思考プロセスの手法は次回に委ねるとして、今回は生産改善の手法についてお話します。これは次の動作を繰り返し行うことで改善していきます。 1.制約条件となっているもの(ボトルネック)を発見する。→2.その部分を最大限に活用する(フル回転)→3.ほかの条件をこの制約条件に従属させる(合わせる)→4.制約条件の能力そのものを上げる(ここには投資しても良い)→5.惰性に注意しながらこのプロセスを繰り返す。

はじめは1から3を繰り返します。それでも生産が間に合わない状態になれば、4を行います。注意しなければならないのは4を行うことによって、今までのボトルネックがボトルネックでなくなる場合があるのです。そうした場合、また、1に戻り、新たなボトルネックを見つける必要があります。