HOKUSAI

久々に映画を観てきました。北斎の青年期から晩年期を描いた作品です。北斎については以前、六本木ヒルズで新・北斎展をやっていて観に行きました(その時のブログがこちら→http://hy-tax.com/blog/?p=2802)今回は映画なのでちょっと違う角度から北斎を観ることができました。美人画で有名な歌麿や歌舞伎絵で有名な写楽が売れているときも、北斎はくすぶっていました。それでも挿絵などをしていて生計を立てていました。北斎が生きていた江戸時代は小説や絵などは風紀を乱すものとされ、特に歌麿などは捕まったり絵が役人によって焼かれたりしていました。

絵師はなぜみんなが喜ぶものを描くことがダメなのか理解できず、いつか絵が世の中を変えるであろうと期待して生活しています。北斎の映画の中での主な仕事は小説に挿絵をする絵師で、物語を書く人と絵を書く人でタックを組んで仕事をしているという感じでした。北斎が70歳の時、脳卒中で倒れて命は助かったものの右半身に麻痺が出て、絵が描けなくなり旅に出ます。山々などを歩くうち目に留まったものを動かない手で書いているうちにリハビリになったのか麻痺は治ったようでした。

その旅に出た時の経験から書いたのが有名な富嶽三十六景です。何と私たちが知っている有名な絵は70歳過ぎてからの作品なのです。歌麿も写楽も50代で亡くなっている時代に90歳まで生きました。そして作品は年を追うごとに極めていきます。凄い人です。平日夜の映画館は空いていました。私が見た日はレディースディだったにもかかわらず、10人しか居ませんでした。まぁ少ない方が安心ですが、映画館の経営が心配になります。久々に映画を観てやはり映画っていいなとつくづく思いました。