コンサルタントというもの14

未熟だけれど挑戦し続ける姿が人を育てる

赤坂の料亭のおかみさん、当時、若いベンチャー起業家を育てるということで、昼間料亭を開放してくれた。そこで20代のベンチャー企業の経営者が集まって勉強をしていた。このおかみさんは、政治家達がお母さんと呼ぶような神がかった人。

初対面「あんたは何をしたいの?」とある人に聞いてきた。「人を育てたい」と答えた。おかみさんに「あんたには無理よ。」と言われ「それでも人を育てる」と言った。するとおかみさん「じゃあ聞くけど、あんた何者?神?あんたみたいな未熟者にどうして立派な人が育てられるの?」そう言われて”このおかみさんについていこう”と決意。本を読む宿題を出され、読んで感想を言っても「読んでないでしょ」と否定され続ける。1冊の本に半年間通った。そして最後に出入り禁止を言い渡される。

「もうわかったでしょ」と。おかみさんからひたすら否定され続けても半年間通い続けた。「そのあきらめないでやり続ける姿を人に見せなさい。その姿が人を育てるのよ」と教えられた。自分の生き方が人を育てる。未熟者でも夢を持って困難に挑む姿、何度も壁に登って落ちていく姿、それでも絶対にあきらめない姿が人を育てるんだ。人を育てるっていうのは、自分が絶対にあきらめない、という姿なんだ。それに気づき迷いが全てなくなった。

テクニックや手法を勉強することはもちろん必要、でも勉強したことをただ与えるだけでは成長しない。相手にとって今必要な一歩を踏み出す勇気を与える。相手に的確な言葉を伝えるために知識や経験は積んだほうがいい。ただ正解はない。だからいろいろ試すしかない。そう「見本・信頼・支援」を積み上げてゆくしかない。