ミランコビッチ理論

本を読んでミランコビッチ理論に興味を持ったので調べてみました。ミランコビッチ理論とは、セルビアの地球物理学者であるミルティン・ミラコビッチ氏が発見した理論で、ミランコビッチ・サイクルとも呼ばれ、地球の気候は地球軌道の変化で繰り返されるという理論の事です。これには3つの要素があり、その組み合わせによって気候が変化します。

1つ目は離心率の変化で、地球は太陽の周りをまわっていますが常に円状に周っているのではなく、10万年をかけて円が横に伸びた楕円になりまた円に戻ります。円に近い回転の時と楕円の時だと、その距離は最大で1827万㎞も変わるので、太陽から一番離れた時は氷期になります。氷期のサイクルは10万年毎に訪れます。

2つ目は地軸の傾きの変化で、地球の地軸(地球儀で言う中心の棒の角度)は21.5度から24.5度の角度で定期的に変化しています。その周期は4.1万年となります。この地軸の傾きは季節差に影響を与えます。地軸の傾きが大きいほど季節差が激しくなります。

3つ目は、地軸の歳差運動の変化です。地球の自転軸の向きは公転しながら周期的に変化していて、コマの首振り運動のような動きをします。これは地球をコマに例えるとコマが止まりそうなときに頭の部分がぶれるような動きをします。そのような動きを地球もするのです。その周期は2.6万年毎に変化します。

この3要素が気候の変化に影響を与えますが、実際には他の要因もあるため単純にはいきません。太陽だけではなく月の引力による海水の干満作用によって海水と海底との摩擦で地球の自転速度が減速したりします。ただ、ぴったりとはいかないがそのような周期で地球の気候に影響をもたらすという意味で大いなる発見だということです。