出資持分の定めのある医療法人から定めのない医療法人へ移行

平成19年より前に設立された医療法人で一番多い設立形態が出資持分の定めのある社団医療法人です。以前は約96%の医療法人がこの設立形態でしたが、平成19年以後にこの設立形態では新規設立ができなくなったため、現在では約88%ですが現在でも一番多い設立形態であることに違いはありません。

出資持分のある医療法人の場合、その出資持分(株式会社でいう株のようなもの)は相続税の課税対象となります。1,000万円の出資持分が相続時には10億円以上になってしまうというのは珍しいことではありません。これでは3代事業承継すると医療法人は潰れるというのは分かる気がします。

そこで、何年も前から特定医療法人に組織変更することが流行っていました。特定医療法人への変更は無税で移行できるからです。ところが特定医療法人への移行は要件が厳しく、よっぽど頑張らなくては移行が困難なため、最近では特定医療法人への移行ではなく、持分の定めのない医療法人への移行が流行っています。と言っても特定医療法人への移行とは違い、税金がかかります。それでも相続と違い、計画的に移行できる持分の定めのない医療法人への移行を選択するというものです。

具体的には、みなし贈与という贈与税が医療法人に課税されます。平成27年1月より贈与税の税率も高くなるので、来年あたり移行も増えるのではないかと思われます。