医療法人の判例 債務免除

大阪地裁平成24年2月28日判決(平21[行ウ]201)(全部取消し)(確定)Z888-1636の判例です。

これは、個人事業で病院を営む原告がA機構とB事業団から約24億円の債務免除を受けて、その債務免除益を事業所得の収入金額に入れないで申告したところ、そのうちの約10億円について、債務免除益として事業所得に算入するよう更正処分を受けました。

原告側はこの債務免除は合理的なA機構企業再生スキームに準じたスキームに基づいて行われ、債務免除を受ける直前において資力を喪失していたとして基本通達36-17が適用されると税務訴訟を行いました。

結論から延べますと原告が全部勝訴です。本件債務免除は合理的なA機構企業再生スキームに基づいていたこと。ちゃんと第三者による監査を受けていたことがポイントとなって勝訴した事例です。

(債務免除益の特例)所得税基本通達 36-17
 債務免除益のうち、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に受けたものについては、各種所得の金額の計算上収入金額又は総収入金額に算入しないものとする。ただし、次に掲げる場合に該当するときは、それぞれ次に掲げる金額(次のいずれの場合にも該当するときは、その合計額)の部分については、この限りでない。 (1) 当該免除を受けた年において当該債務を生じた業務(以下この項において「関連業務」という。)に係る各種所得の金額の計算上損失の金額(当該免除益がないものとして計算した場合の損失の金額をいう。)がある場合  当該損失の金額 (2) 法第70条《純損失の繰越控除》の規定により当該免除を受けた年において繰越控除すべき純損失の金額(当該免除益を各種所得の金額の計算上収入金額又は総収入金額に算入することとした場合に当該免除を受けた年において繰越控除すべきこととなる純損失の金額をいう。)がある場合で、当該純損失の金額のうちに関連業務に係る各種所得の金額の計算上生じた損失の金額があるとき。 当該繰越控除すべき金額のうち、当該損失の金額に達するまでの部分の金額